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    大手の下請け切りに憤慨 トラック増車の矢先に契約解除

    2012年9月24日

     
     
     

     同業大手の仕事は、資金回収の面から安定性も高く、小規模の直荷よりもむしろ安心だと、好んで仕事を受ける事業者も少なくない。しかし、長年の付き合いであっても、同業大手にとってみれば、所詮は下請け事業者にほかならない。いざというとき、自社を守るために下請け事業者を見捨てるという行為は当然のように行われており、そこには、大手ならではの理不尽な対応も見え隠れする。しかし、どれだけ理不尽であろうと、下請けは泣き寝入りするしかないのが実情だ。


     千葉県の事業者は、同業大手の下請けとして長年にわたって仕事を任されてきた。まさに、切っても切れない関係を築いてきていたはずであった。大手の支店長とは付き合いも長く、いい意味での「なあなあ」の関係ができており、支店長の言葉に従い必要なトラックをそろえていった。良好な関係が続き、同社も順調に業績を上げていた。しかし、今年に入って落とし穴が待っていた。
     東日本大震災で東北地方が大打撃を受け、そこで働くドライバーの職が失われた。その結果、そうしたドライバーを、仕事が確保できる首都圏に出向させるというケースが相次いだ。そこで発生したのが下請け事業者の削減だ。今年に入り、一気に下請け切りが始まり、同社にもその余波が迫った。
     昨年、忙しく車が足りないからとトラックを増やしたばかりの同社に、支店から契約解除の通知が届いた。同社長は、話が違うと詰め寄るが、相手は会社が決定したことだと聞き入れない。
     「必ず面倒見るから」と言われて新車を購入した社長にとっては、到底納得できるはずもない。幾度も足を運び、詰め寄るが埒が明かなかった。最終的には、相手が担当者を変更するという対策を講じてきた。いざというときの大手の常套手段〝担当者の交代〟である。「新しい支店長に理由を説明したが、前任者のことは分からないと一蹴され、それ以上は詰め寄ることもできなかった」とこぼす社長は、契約解除に応じるしかなく、ドライバーを解雇し、トラックを売却した。
     「被災した東北地方のドライバーに仕事をさせるために下請けを切り、自社便に切り替えるのは仕方のないことかもしれない」と理解を示すものの、「絶対面倒を見ると約束したにもかかわらず、それを反故にされたことは納得できない。おまけに自分たちの都合が悪くなると、担当者を変えて前任者のせいにしてその場をやりすごす。姑息な手段で道義上、どうなのかと疑念がわいてくる」と憤る。
     信頼した相手に裏切られたショックと、仕事減という二重のショックに、一時は意気消沈し、会社を畳むことも考えたという。しかし、今は思い返し、すでに新たな仕事探しを進めている。

     
     
     
     

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