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    自賠責保険再値上げへ 収支悪化で来年4月から

    2012年10月2日

     
     
     

     自動車損害賠償責任(自賠責)保険の保険料が来年4月から再び値上げとなる。自賠責保険審議会は11年度に平均11.7%引き上げた際、13年度にも引き上げる方針を打ち出していたが、先月開かれた「今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会」(落合誠一座長、中央大学法科大学院教授)で反対意見がなかったことから、来年の引き上げはほぼ確実となった。収支の悪化が理由だが、自動車安全特別会計の積立金から一般財源に「貸し出し」している6000億円強は放置されたままで、「これを有効に使えば保険料値上げは必要なくなるはず」との声も出ている。


     自賠責保険は07年度に累積黒字が6570億円、累積運用益も3951億円に達したため、「自動車ユーザーに還元しよう」と08年度から12年度まで5年間かけて保険料を下げて還元することになり、08年度から全車種平均24.7%、営業用トラックは2トン超で30.6%という大幅な引き下げが行われた。
     ところがその後、交通事故で働けなくなった人などへの高額支払いが増える一方、自動車保有台数の減少で保険料収入が減少。08年度から毎年2000億円超の赤字続き、10年度の収入純保険料は6001億円、支払い保険金は8357億円、11年度は同5979億円、同8366億円などで同年度に累積4710億円の赤字を計上。このため自賠責審は昨年1月、「激変緩和のため」11年度と13年度の2段階で保険料を引き上げる方針を打ち出し、第1弾として11年度に11.7%の引き上げを行った。この時、営業用トラックは事故も少なく、収支バランスも良好のため1.0%程度のアップだった。
     自賠責審では来年4月1日以降の契約に適用する保険料引き上げ率について、全車種平均で15%程度と想定しているが、今後の損害率調査や付加保険料率の見直しもあり、具体的な数値はまだ分からない。正式な引き上げは来年1月に開催する自賠責審で決める。
     先月開かれた、ユーザー側代表も多く参加している国交省所管の自賠責保障制度のあり方懇談会で、12年度は予算ベースで保険料収入7065億円に対し、保険料支払い8491億円と1426億円の赤字が見込まれることなどが説明された。「収支が悪化しているなら仕方ない」との意見でまとまったことから、今後は自賠責審の方針通りに進むものと見られる。国交省は営業用トラックの保険料アップについて、「自賠責制度の収支が悪化している以上、次回も1%程度とは限らない」という。
     こうした中、ユーザー側から指摘が出たのが「知っている人は少ない」(保障制度参事官室)一般財源化している自賠保障制度の予算。国交省が管理する自動車安全特別会計から94年度に7800億円、95年度に2910億円を一般会計に繰り入れたが、このうち6029億円がまだ繰り戻されていない。繰り戻し期限は「大臣間の合意」で決められてきた。最初の合意は94年、当時の藤井裕久大蔵大臣と伊藤茂運輸大臣の間で「97年度から00年度には繰り戻す(返済する)」はずだったが、00年に宮沢喜一大蔵大臣と二階俊博運輸大臣で「01―04年度」、さらに03年度には谷垣禎一財務大臣と石原伸晃国交大臣が「05―11年度」と延ばし、10年12月の野田佳彦財務大臣と馬淵澄夫国交大臣との間で「12―18年度」で合意し、現在に至っている。
     「保険料を値上げする前に、この金を返してもらう方が先決」との指摘がユーザー側から出始めている。動いていないため、一時は民主党が「埋蔵金」として処理しようとしたこともあったという。「これを原資に値上げ阻止はできないのか」と同参事官室に質問すると、「本来の趣旨がユーザー還元でなく被害者救済が目的の積立金なので、国会で論議され、自賠法改正でもされない限り難しい」との返事。政府再保険の再保険料運用益約2兆円が01年の自賠法改正で「保険料値下げなどのユーザー還元(20分の11=1.1兆円)」と「被害者救済対策のための積立金(20分の9=8700億円)」に配分され、8700億円が自動車安全特別会計に組み込まれた経緯があるためだが、わずか数%でも自賠責保険の値上げは事業者にとって厳しい。「今年度は返済期限に含まれている。法改正が必要なら早速、取り組んでほしい」との要望が強い。

     
     
     
     
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