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    円満退職が一転トラブル「失業手当の不正受給」

    2012年10月31日

     
     
     

     円満退職――。そう思っていたところが後日、とんでもなく厄介な問題へと発展してしまったという経験はないだろうか。トラック運送業界でも最近、手を変え品を変えての労使トラブルが絶えない。できることなら未然に防ぎたいが、他社で起こった実例を参考に対策を講じるのが精いっぱい、というのが実情のようだ。


     自動車関係を扱う広島県の運送会社のドライバーが過日、「やめたい」と申し出てきた。自己都合による退職希望だが、ドライバーは社長に「会社都合による退職扱いにしてもらえないか」と相談してきた。退社後にもらう失業手当を少しでも有利にしておきたいという正直な理由を説明したのに加え、それまでの勤務態度も考慮してドライバーの求めに応じることにした。
     しかし、しばらくしてトラブルが発生した。「乗っていたトラックを引き継いだドライバーが損傷を見つけ、最後の給料から修理代の一部相当額を天引きする旨を電話で説明したところ、『会社が失業手当の不正受給に肩を貸していると役所でバラすぞ』と、とんでもないことを口にした」と社長。
     気が収まるはずはなかったが、「不正に手を貸したといわれれば否定できないのも事実だし、場合によっては今後、会社が給付金などを受けられなくなる可能性もある」と判断。同社は従来、採用時の試用期間を廃止して有期雇用に切り替えるなど、労使トラブルの対策に気を使ってきたが、「今回の最大の失敗は、実際には自己都合であるにも関わらず退職願を書かせなかったこと。知人の弁護士とも話し、今後の対策を検討しているところ」と悔やんでいる。
     一方、岡山県の運送会社でも想定外のトラブルが発生した。それに関連して同社には現在、労基署が調査に入っているが、火ダネとなったのは関東方面への定期便を担当している長距離ドライバー。「予定時間より大幅に遅れて帰社したドライバーが『頭痛が続いて大変だった』と話したことから病院に行かせたところ、軽度の脳梗塞だった」と同社の社長。
     とりあえず無事に帰ってきたことで胸をなで下ろしたものの、「今の状態でドライバーの仕事を続けることは難しいとドライバーの家族にも説明し、互いに理解して退職の手続きを取ることになった」という。ところが、それから2か月余りが経過し、労基署の担当者が会社へやって来たことで厄介な問題が浮上していることを知った。
     労働時間の問題で、最近は長距離と地場輸送を組み合わせる形でシフトを組んでいたが、「ドライバーが頭痛を訴えた日の直前1週間余りはたまたま忙しく、その時期の残業や健康管理面で不適切な部分を指摘された」という。ドライバーが退職後に労災を申請したのが原因とわかり、「認定されれば、後遺障害の補償額が上乗せされることを知ったらしい。会社に相談してくれれば、こんな厄介な事態にはならなかったのに…」と複雑な面持ちで話している。

     
     
     
     

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