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    システム化の進まない北海道物流

    2012年12月5日

     
     
     

     物流業務の効率化を支援するシステム。北海道内では、センター業務での活用は進んでいるように見受けられるが、とりわけ配送の現場ではあまり進んでいない。デジタコやドラレコといった運行管理機器の活用は珍しくはなくなったが、自動配車やルートの策定、スマホやタブレット端末を活用した各種ASPサービス、配達・作業状況のリアルタイム把握など、一歩進んだシステムの導入はあまり多くはないのが実態だ。


     これはシステムを提供している企業も同じように捉えており、道内に本拠を置き、物流システムを展開する企業は口をそろえて、「北海道の運送業界におけるシステム導入の意欲は総じて高くない」「他の地域と比べて遅れている」「今後の導入の見込み客もごく一握りの事業者に限られ、道内のシステム投資は2極化の傾向にある」などと話し、地元での販売拡大に苦労している様子だ。北海道ソフトウェア技術開発機構でも「道内では、物流システムを導入して目立っているというケースはあまりないように思える」としている。
     配送計画を販売するシステム会社は「廃棄物収集運搬などの企業には積極的に導入してもらっており、効率化と省力化に関して効果が出ていると評価を得ている。しかし、市場の大きい運送業界ではほとんど引き合いがなく、どのようにして売ればいいのか困っている」と悩ましい顔を見せる。
     アイドリング・ストップ装置を販売する企業も同様だ。「運送業界を有力なターゲットとして考えており、金融機関を通じて声をかけてもらっているが苦戦している。首都圏ではかなりの数の運送会社に導入してもらっている装置だが、北海道ではあまり興味を持ってもらえない」と嘆く。
     運送業界向けの間接業務効率化システムを販売する企業は「開発当初に道内の事業者を当たったが、システム投資の意欲が低いので市場としてあきらめた」としており、主に本州で本腰を入れて拡販している。「道内の企業に営業するより、本州に行って営業した方がよっぽど売れている」と話す。
     センター向けのシステムを提供している企業は「卸や元請けなど上から『システムを入れろ』と言われて導入するケースが目立つ。たまに運送会社から開発の提案があるが、知る限り2社しかいない。今はクラウドサービスなど初期投資がいらない物流システムが多くなっているので、合わなかったら火傷せずにすぐにやめられる環境だが、運送会社はあまり興味を持ってくれない」と話している。
     これらシステム導入に積極的ではない道内の運送業について、「保守的な地域風土」や「情報の少なさと事業者の勉強不足」といった特性を指摘するシステム企業が多い。更に口をそろえているのが「システム化が進んでいない北海道だからこそ、積極的に導入すれば、他社と差異化することが容易になる。考えようによっては自社が相対的に強くなりやすい環境のはずだ」ということだ。

     
     
     
     

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