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    新日本海フェリー佐々木取締役「総合的な交通体系を」

    2012年11月1日

     
     
     

     北海道と本州との間で海上輸送において、重要な役割を担っている新日本海フェリー(大阪市北区)。現在、「苫小牧ー敦賀」航路をはじめ、「苫小牧ー秋田ー新潟」「小樽ー舞鶴」「小樽ー新潟」にそれぞれ週6便運航し、北海道の物流を支えている。同社の佐々木正美取締役営業企画部長は、昨年の東日本大震災でフェリーが果たした輸送力を説明し、「フェリーは混乱する情勢の中、陸上自衛隊の輸送を通じて多くの命を救った。陸路に偏重しない総合的な交通体系を考えるべきだ」と語る。
     震災後、同社をはじめフェリー会社は、陸上自衛隊北海道精鋭部隊を被災地に緊急輸送した。第一船は同社保有の「しらかば」で、地震の翌日午後7時50分に小樽を出港、翌日午前9時35分に秋田に入港した。221人の人員と車両74台を運んだ。佐々木氏は「地震が起きた後、すぐに陸自からオーダーが入り、初めは2万人を被災地に送りたいと言っていたが、直ぐに5万人、10万人へと変更された」と振り返る。


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     同社をはじめとしたフェリー各社は3月末まで71便を運航し、自衛隊員1万人、車両3200台を輸送、機動的な震災対応を支えた。震災から4か月が経過した7月11日には、緊急輸送として延べ航海数が899便となり、6万500人(うち自衛隊4万5500人)、車両1万6600台(同1万2800台)を運んだ。フェリーが運んだ人員と設備によって多くの命が救われ、被災者の生活が支えられ、復興を後押したことは間違いない。
     現在は震災への対応は落ち着きを見せているが、当時の経験によって佐々木氏は幾つかの重要な教訓を得たという。
     まずは、地震に強い港湾(岸壁・後背地)の整備が必要だということ。常陸那珂湊港などで耐震岸壁の優位性が立証されたとし、「フェリーは震災などの救援に有効な交通手段なので、フェリーバースの耐震化を一層進めてもらいたい。特に苫小牧港における大型フェリー対応型耐震バースの新設を望む」としている。
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     また、危険物運送船適合証の有無や積載可能危険物品目の情報把握などが混乱し、フェリーによる「危険物輸送」の情報共有が出来ていなかったことも問題だとする。これに加え、現地で最新の海図の入手が困難だったことや、停電している岸壁に船から電気供給する準備の必要性も指摘している。
     そして、最大の教訓として挙げるのは「総合的な交通体系の必要性」だ。佐々木氏は「近年、日本国内の物流や交通の振興策として、高速道路の無料化や割引・値下げなど、道路偏重の施策が増えている。これによってフェリーがあおりを受け、航路を削ってきたタイミングで震災が発生した」と話し、陸路に依存する物流・交通体系は「いざという時には脆弱で危険だということがはっきりし、多くの人から『フェリーは有効だ』と評価していただいた。はからずもフェリーの重要性を立証することとなった」と説明。
     「トラック、鉄道、内航、フェリーは相互補完関係にあり、国民の生活を支えている。国民生活の安心・安全を守るためにも、総合的な交通体系の策定が必須ではないか」としている。
    ◎関連リンク→ 新日本海フェリー株式会社

     
     
     
     
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