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    夜間道路に潜む危険 酔っぱらいの寝込み、徘徊高齢者

    2012年12月3日

     
     
     

     道路で寝込む酔っ払いや夜間の徘徊者が原因となる重大事故が増えており、なかでも高齢者が絡むケースが目立っているという。関東地方で今春に発生した大型トラックなど5台が絡む事故では、酒を飲んで路上に寝ていた男性が事故原因として逮捕(道交法違反)された。
     最近は一般道路に限らず、自動車専用の国道バイパスや高速道路を徘徊する高齢者が原因となった死亡事故も増えており、警察関係者からは「寝込みも徘徊も、場所・男女の別を問わずの状況。十分な車間保持やハイビームの活用によって、ドライバーも自分自身を守る時代」と警戒を促す。


     夜間の幹線国道で寝転がっていた男性を過日、トラックで轢死させる事故を起こした中国地方の運送会社によれば「ドライバーが気付かずに走り去ったことで、ひき逃げ容疑となった」(運行管理者を兼ねる役員)と当時を振り返る。通常では考えられないリスクが原因となった事故の経験を踏まえ、警察OBを外部講師に招いた毎月1回の安全会議で「厳格化された救護義務違反(ひき逃げ)などの理解とともに、AED(自動体外式除細動器)の使用法についてもドライバーに学ばせている」という。
     事故が発生した場合、ドライバーは運転をやめて負傷者を救護したうえ、二次的災害を防ぐために道路上の危険防止措置を取るとともに、発生状況などを警察に報告するといった一連の行動が求められるが、これらに違反する行為が「ひき逃げ」に分類される。
     一方、関東地方で今春に起きた事故では幸いにも負傷者は出なかったが、酔って道路に寝ていた高齢男性の行為が事故を招いたとして、道交法違反で逮捕された。寝ていた男性に気付いた大型トラックのドライバーが停止したところへ後続車が追突するという多重事故だったが、ドライバーの現認・制動操作が遅れれば死亡事故になった可能性も高い。仮に轢死させた場合は、昼間で3対7(車)、夜間だと五分五分というのが一般的な過失割合というから、ドライバーとしては複雑な気分だろう。
     また、同じく中国地方の運送会社は今春、片側2車線の国道2号で徘徊状態だった高齢者をはねる死亡事故を起こした。「歩道側ならわかるが、中央分離帯側から人が出てくるとは予想しないのが普通。ただ、かわいそうだが数か月間の無事故手当はカットすることをドライバーに告げた」と同社の社長。〝殺人犯〟となってしまったドライバーだが、「違反がなかったことで、本人は罰金処分で済む可能性もあるようだ」という。
     10月下旬になって警察当局の捜査は終了したとのことで、最終段階では「どんな装置をトラックに搭載しているかという内容のアンケートに答えた。ウチはデジタコしかないが、今回の事故を機にドラレコの導入を考えている。アンケートでは、そんな現状を把握したいのかもしれない」と同社長。
     警察庁の調べでは、平成23年に発生した交通事故による死者数を状態別に見ると「歩行中」(36.6%)が最多。また、歩行中(第1・2当事者)の死者数を法令違反別に見ると、高齢者は「横断歩道外横断」(13.7%)や「走行車両の直前・直後横断」(16.6%)など、道路を横断する際の違反割合が高いのも特徴。今年9月末までのデータでも死者数(3038人)の49.5%が65歳以上で、そのうちの23%を「歩行中」が占める。
     また、夏場に急増するという「道路で寝ている酔っ払い」だが、冬場はゼロというわけではない。県警関係者は「住宅密集地や幹線道路付近だけでなく、街灯もないような山間部の道路でも同様の事故は起きている。まずは、常に車間保持と安全速度を意識すること。高速道路では常識になっているハイビームの効果は大きく、これも有効に活用してほしい」と呼び掛ける。

     
     
     
     

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