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    北海商科大学・佐藤教授「フリーゲージトレイン実現を」

    2012年12月5日

     
     
     

     北海道新幹線の札幌延伸が決まり、対応を考えなければならないのが「高速新幹線と貨物列車との併存」の問題。青函トンネル内などでの併用区間では、新幹線と在来線のすれ違い回避の方策が待ったなしで議論されているが、解決策はいまだ見えてこない。
     国交省交通政策審議会整備新幹線小委員会「青函共用走行区間技術検討WG」(家田仁座長)では、「新幹線と在来線の運行時間帯の区分」「すれ違い時に高速新幹線が減速」「貨物専用新幹線(トレイン・オン・トレイン)の導入」「第2青函トンネルの建設」「上下線間に隔壁を設置」といった、すれ違い回避案を検討しているが、コストが高すぎたり、整備効果が低くなるなど、いずれも明確な解決策とはなっていない。


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     北海商科大学の佐藤馨一教授は「このままでは北海道の物流のみならず、基幹産業の農業・水産業の構造にまで影響が出る」と強い懸念を示し、WGでは議論されていない「フリーゲージ・トレイン」の採用を主張する。「新幹線で貨物を運ぶ技術を考えるべき。大きな設備投資も必要なく、今ある技術で応用できる。WGの議論はいずれも対症療法にすぎず、根本的な解決策とはなり得ない」としている。
     青函トンネルの貨物列車の運行は現在、1日51本で旅客の2倍となっており、発送・到着を合わせ年間約450万トンの輸送量がある。北海道新幹線の開業により、すれ違いで問題が発生する貨物列車の運行ダイヤに大きな影響が出ることは明らかだ。
     佐藤教授は「農業・水産業とも北海道の生産量は圧倒的に多く、首都圏などで消費される大量の野菜・水産物が新鮮なうちに届くのは、青函トンネルと貨物列車のおかげ。農水産品の6割以上が鉄道によって運ばれている。これら産品は季節波動が極端に大きく、片荷構造なので、フェリー輸送では補えない」と説明。
     仮に新幹線優先のダイヤを組むと、「道民の税金で整備費用に多額の負担をして、道産品の輸送を邪魔するという本末転倒の結果となる。貨物列車が減ると、作物を腐らせることにもつながりかねない。そうなると、生産する作物を変えなければならなくなるなど、産業構造にまで影響が及ぶ」と話す。当然、農水産物を集荷するトラック運送にまで影響が及ぶことになる。
     当面は「すれ違い時に高速新幹線が減速」する方策で高速新幹線と貨物列車の併存を図ることが現実的だが、「全国新幹線鉄道整備法では、『主たる区間を列車が200キロ毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道』を『新幹線』と定義している。北海道は新幹線整備のために2500億円以上の費用を税金で負担するが、『減速した鉄道はそもそも新幹線とは言えない。新幹線ではないなら、地元負担は必要ない』というロジックが成り立ち、費用負担の根拠がなくなってしまう」と説明する。
     そこで佐藤教授が提案するのが、軌間に合わせて車輪の左右間隔を変えることができる「フリーゲージ・トレイン」を貨物車両に採用し、新幹線の軌道を走らせるという方策だ。
     「フリーゲージ・トレインはまだ実用化されていないものの、技術的には日本でも既に開発されており、旅客車両で安全審査済み。新幹線とすれ違いが可能な台車の設計をすれば貨物でも使える。これが実現できれば、在来線と比べて札幌〜青森間の走行距離が124km、走行時間が5時間半も短縮できる。数十年に一度噴火する有珠山対策にもなり、ボーディングヤードなどの大掛かりな設備投資も必要ない」と話している。

     
     
     
     
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