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    逆転の発想で生き残る 「高い運賃支払い」「週休2日制」

    2013年5月23日

     
     
     

     過半数が赤字というトラック業界。昨年末の政権交代で株価が上昇するなど、景気が回復してきたとの声もあるが、一方で円安の影響から燃料価格が上昇。人材不足も顕著でトラック業界は依然厳しい環境が続いている。当たり前のことを当たり前にしていても、荷主の物流再編など外部環境の変化で多大な影響を受けてしまうだけに、舵取りの難しさも伺い知れる。「他社と同じことをやっていても生き残っていけない」と危機感を抱く事業者は、逆転の発想で他社との差別化に取り組み、生き残る道を探っている。


     埼玉県所沢市でイベント関連の輸送を手掛ける事業者は、その特性上、時期によって荷量が大きく変化するため同業他社との協力は欠かせない。同社にとって同業とのネットワークは、会社が生き残るための重要な戦略の一つだといえる。
     厳しい運賃競争の中で、同社は協力会社に対し相場よりも常に高い運賃を提示してきたという。同社長は、「当然、仕事によっては高い運賃も安い運賃もあるが、安い運賃だから協力会社へも安い運賃でやってもらうということでは、いい関係は築けない」と指摘する。
     仕事によっては時に足が出ることもあるというが、「繁忙期で車が足りないときでも、協力会社はうちの仕事を優先してやってくれる」という。「本来なら利益を追求するのが会社で、相場よりも高い運賃を出すことはおかしいのかもしれないが、困ったときにトラッがないことのほうが、うちにとっては断然リスクが高い。その時になって、さらに高い運賃を出さなければならなくなるのは目に見えている。日ごろから相場よりも高い運賃を出すことは、うちにとってリスクヘッジにもなっている」と話している。
     一方、千葉県八街市の事業者は、運賃相場の下落でドライバーの賃金水準も下がっている中で、週休2日を実施し、実質的に賃金アップを実現した。
     同社はそれまで、売り上げ重視で長時間労働も当たり前の運送会社だった。厳しい経営環境は続き、「このままでは、いずれ会社は立ち行かなくなる」と危機感を募らせた同社社長は、リスク覚悟で市場の流れとは逆に舵を切る。
     売り上げ重視の考え方を改め、労働時間の削減に努めた。「採算の合いそうな仕事でも、長距離など労働時間が長くなるような仕事は断った」という。「売り上げを考えれば、のどから手が出るくらい欲しかったが、その仕事をすれば同じことの繰り返しになる」と断った。
     その一方で、地場の仕事を探し、売り上げを落とさないように努めた。労働時間は徐々に短縮されていき、ついに週休2日を達成した。当然、ドライバーは誰も辞めない。それどころか、モチベーションが上がり、輸送品質も向上したと同社長は指摘する。
     長時間労働を排除していった結果、売り上げは下がった。賃金には手を加えなかったのでコスト負担は増した。しかし、それ以上に同社にとって得るものは大きく、「ドライバーの質は、うちの自慢だと思えるまでになった」と話している。

     
     
     
     
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