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    ドライバーは「ツライよ」 追い打ちかけるペナルティ

    2013年9月19日

     
     
     

     長時間にわたる待機と、そのシワ寄せを食う格好で休憩を後回しにして、荷下ろし地へと急ぐ毎日――。
     ただでさえ過酷な労働環境に身を置くトラックドライバーだが、さらに追い打ちをかけるのが荷主や元請け事業者からのペナルティー。実運送の現場から聞かれる信じられない苦労話は枚挙に暇がないものの、改善の兆しどころかエスカレートするムードさえ漂う。


     日用品などをメーンに運ぶ広島県の運送会社はこのほど、積み込みに入るドライバーを集めて「注意書き」を手渡した。内容は「ドライバーを守るためというのか、責任の所在を明確にするためのもの」(社長)という。
     「(荷主の)リフト作業が原因で商品が破損したとしても、積んでしまえば運送会社の責任になってしまうことを認識し、積み込みに際してはドライバー自身がチェックを強化する」というのが趣旨。具体的には「積む前に一周して荷物の傷や異状をチェック」「リフトマンによる作業中の損傷がないか」「パレットや緩衝材などの傷や不具合」などについて十分な確認を求め、「問題が見つかれば即座にリフト担当者に現認してもらうこと」と指導している。
     同社ではこれまで、幾度となく「損傷」を理由とした荷物の買い取りを迫られてきたという。「これでドライバーが責任を免れることができるかといえば、やっぱり力関係。ただ、言われっ放しというのではドライバー自身の気が収まらないだろうし、罰則でイライラ運転になってもいけない」(同)と話す。
     むしろ、こうした理不尽な事情を抱えない実運送事業者はいないといっても過言ではない。「数年前に待機時間の短縮を要望したところ、『ドライバーが自分の手でやれば、それだけ早く出発できるのではないか』と元請けの現場担当者。それ以来、作業料をもらうこともなくドライバーが積み込み作業に当たるようになったが、結果的にはタダ働きをして、それで傷を付ければ弁償させられるという最悪の状態になってしまった」(食品を運ぶ山口県の事業者)というのが代表的なパターンだ。
     一方、工業品原料や製品を運ぶ兵庫県の運送会社は、「ドライバーに(損傷の)責任はない」という抗弁さえ許されない状況に置かれている。同社社長によれば「積み込みのために物流センターへ入るのは昼過ぎだが、順番を待って積み終わるころには日付が変わっている」という。
     同社の場合も例に漏れず、いつしかドライバー自身が積み込み作業を担うようになったが、「パレットが傷んでいたり、積み荷の原料品にサビなどが発生していても、積み込む時間帯には先方の担当者は帰ってしまっている」と社長。ただでさえ出発がズレ込んでおり、「仮に延着のペナルティーが避けられたとしても、荷物事故で注意を受ける。それが一定の回数になればペナルティー。代わりの仕事がないから我慢をしてきたが、ドライバーが続かないことで撤退する同業者も出てきた」と悩ましい事情を明かす。

     
     
     
     

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