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物流ニュース
「物流革新に向けた政策パッケージ」 トラック運送業界が大きく変わるチャンス
2023年6月4日
6月2日に物流革新に向けた政策パッケージが公表された。商慣行の見直し、物流の効率化、そして荷主・消費者の行動変容という大きな3つのくくりの中で、取り組みが進んでいく。
これまで、コンプライアンスの徹底など、経営環境の改善について、「物流事業者だけの努力では限界があり、荷主の協力なくして改善はあり得ない」との声は業界内で根強くあった。それだけに、荷主へ踏み込んだ商慣行の見直しには、期待が集まる。具体的には、待機時間や荷役時間の削減等を通じて、ドライバーの労働時間を削減するとともに、効率的な物流の実現を目指すため、大手の荷主や物流事業者に、計画作成や実施状況の報告を求め、取り組みが不十分な場合は勧告、命令等の規制的措置を行う。
また、納品期限や物流コスト込み取引価格等の見直しについては、官民で構成する協議会等で働きかけを行っていく。多重下請構造の是正では、元請け事業者が実運送事業者を把握できるよう、台帳作成を義務付ける規制的措置の導入を図る。適正な取引を監視するトラックGメンも設置も進める。標準的運賃についても、荷主企業へ周知・徹底を強化するとともに、荷待ち・荷役にかかる費用、燃料高騰分、下請けに発注する際の手数料も含めて、荷主企業に適正に転嫁できるよう、標準約款や標準的運賃の見直しも行う。
さらに、荷主の行動変容では、荷主企業の役員クラスに、物流管理の責任者を配置することを義務付ける法的措置の導入も視野に取り組んでいく。ここまで荷主に踏み込んだ取り組みはこれまでになかった。加えて、大きいのは今回の政策パッケージが関係閣僚会議という関係省庁の大臣の間でまとまったということである。
今後、法整備が進む予定だが、運送事業者としても、これを追い風として、真摯に向き合い、難しい荷主との粘り強い交渉など、自助努力が欠かせないといえる。業界がプラスに変わる大きなチャンスだと捉えたい。
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