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物流ニュース
赤帽が運賃など大幅改定 割高感なく、分かりやすく
2013年12月4日
全国赤帽軽自動車運送協組連合会(小林則夫会長)は、現行の運賃・料金体系を大幅に改定し、来年4月から適用する。「休日割増」「深夜早朝割増」「冬季割増」などすべて廃止するほか、現在「時間制」と「距離制」の選択制となっている引っ越し運賃は「移動距離+作業時間」で計算する新方式に変更する。「赤帽運賃は分かりにくい」「安いと思ったが、頼んでみたら割高」など利用者の声に対応するもので、運用開始とともに連合会のホームページにも掲載する。運賃改定を担当した原田守男副会長(システム改革委員長)は「これで同業他社と同じ土俵でがっぷり四つに組んで勝負ができる」と話している。
赤帽の運賃・料金は内税方式だが、今後は消費税率改定が見込まれるため、新体系では「外税」で運用していく。消費税率改定のたびに運賃の届け出変更手続きを行う必要がないためで、税抜き額計算では小数点以下および1円単位の端数は0または5に切り下げ「現行運賃から値上げにならない近似値」とする。
現在、基本の距離制運賃では「初動」が10km、20kmのケースが混在するなど、単組によって運用にバラツキがある。原田氏は「もらえるものなら何でも請求する組合もある」と指摘。新体系では初動を20kmに統一するなど「割高感」の出ない工夫をした。
このほか「荷扱い料金」は「1回の配送に対して1回のみ適用」、待機料金は「60分未満無料、60分以上90分未満は900円、90分以上30分ごとに900円を加算」で統一する。引っ越し業務の「土日休日割増」以外は、休日2割増、深夜早朝3割増、冬季2割増などすべて廃止。冷凍車、パワーゲート車など特殊車両の割増は「適用することがある」とした。時間制料金は「荷扱い料金を含む」と明記した上で、初動を「2時間」に統一。2時間以上は「30分ごと」に料金を加算する。
引っ越し運賃は現在、組合員が「時間制」と「距離制」のいずれかを選び、適用しているが「長距離では割高」となり、価格競争で他社に負けてしまうため、「移動距離+作業時間」で計算する新方式にする。作業時間は「発地での積み込み時間と着地での荷下ろし時間の合計」と規定、運送のための移動時間は含まない。これらの変更から、新方式では遠方に引っ越しても他社に比べ割高感はなくなる見込みだ。
赤帽の引っ越しは、今年度のオリコンランキングで「顧客満足度(CS)の高い引っ越し会社・コストパフォーマンス」部門で第1位を獲得。「コストパフォーマンス、時間の正確さ、臨機応変さ」が高評価を得た。このため長距離の割高感をなくし、さらにCSを向上、大手にも対抗しつつ引越市場での拡大を図る。
「料金改定は消費税率が変わる来年がチャンス」と原田氏は説明。便乗値上げではなく、むしろ「値下げ」感もある新体系構築では内部に強い抵抗勢力もあったという。「分かりやすい」新運賃・料金体系の下、創業の精神「庶民の庶民による庶民のための運送業」の原点に立ち返り「がっぷり四つに組み、勝負に出る」と原田氏は強調している。
◎関連リンク→ 全国赤帽軽自動車運送事業協同組合連合会この記事へのコメント
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