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    盗難多発 情報提供・制度改定に高まる声

    2014年1月8日

     
     
     

     「今後、こんなことがあれば取引は停止。新車が入ってきても、もうあの車庫には置かせてもらえないから、新たな車庫負担が発生することになる。もちろんトラックがなくなったことが一番痛い」。兵庫県内の運送事業者は、保有する大型ユニック車が盗難に遭い、今も困った状態に陥っているという。近辺ではトラックや重機の盗難が多発。盗品に関する警察の捜査の在り方や輸出入制度の改定を求める声が事業者らから高まっている。


     大型ユニック車が盗難に遭ったのは、同県の中山間地域にある事業者で、専属車両としてこのトラックを使う荷主の工場付近の、フェンスで囲われた土地を車庫とさせてもらっていたという。
     盗難に遭ったのは10月中旬の深夜から早朝にかけて。前日停めたことを確認したトラックが翌朝にはなかった。工場にも深夜は誰もおらず、付近にも目撃者はいなかった。フェンスはなぎ倒された状態だったという。
     普段、荷積みする長尺物はトラックに積まれた状態ではなく、同事業者は、「荷積みがなかったからこそ盗まれたとも言える。荷そのものを狙ったのではなく、トラックを狙ったもの」と話す。
     事後処理の大変さは冒頭の通り。無料でトラックを置かせてもらっていたため、今後新車が入ってくれば当然とはいえ車庫代という新たな費用が発生することになる。仕事に穴を開けるわけにはいかないので、現有するトラックを応援に行かせるなどして、なんとか賄っている。
     同事業者は、盗難トラックが国内では名義変更できないことから、「海外へ持っていかれてしまっただろう。大型だから車体を分割してコンテナ詰めされたと思う」と話す。そのうえで「盗品の可能性も含めて輸出品がチェックできる体制になっていない。警察もまともに動かないなか、途方に暮れてしまう」と話している。
     この付近ではトラックや重機の盗難が多発している。数キロしか離れていない別の運送事業者も昨年、ユンボが盗難被害に遭った。
     この事業者の場合、地元の警察からあるデータが示された。「舞鶴若狭自動車道」に設けられた付近の出入り口を通過したETCデータだ。ユンボを荷台に乗せた大型トラックが、盗難があったと思われる時間帯の直後にETCレーンを通過する写真と一緒に提供された。しかし、その後、地元警察からの情報は途絶えた。ETCの出口情報があれば自身でなんとか探し出そうとしたのだが、情報が出てこないために頓挫した。この事業者は、「盗難情報の開示の仕方が不透明。情報の扱い方のルールを明確にすべき」と訴えている。
     車庫の監視カメラや目撃情報などが頼りにできないとき、行政や道路会社の情報提供が救いになる。国内からトラックが姿を消してしまうまでの情報のあり方が問われている。

     
     
     
     

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