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    泥酔バイクが側面衝突 トラック側を誤認逮捕

    2014年1月23日

     
     
     

     「気の毒な事故でしたね」――。
    そんな一言で片付けられるには納得がいかない交通事故が、昨年11月末に関東圏のある運送事業者で起こった。安全と環境保持は今や心ある事業者であれば取り組んでいるが、同社では「どんなに気を付けていても、事故も起きる」との思いを語る。


     事故は、早朝の4時半ごろ、走行していた同社のトラックにバイクが衝突したというものだ。トラック側の信号は黄色点滅で、バイク側が赤点滅。トラックは確認したうえで時速30km以下でゆっくりと走行していたところ、バイクが側面に突っ込んできたという。
     トラックのドライバーは衝突音に気が付き、すぐに停車。車両から降りて倒れたバイクと運転者を見ると、すぐに救急車を呼んだ。その後、警察が到着したが「被害者が重篤な事故」としてトラックのドライバーは現行犯逮捕されてしまった。
     同社が警察に問い合わせると、逮捕されたドライバーは10日間拘留されるという。バイクの運転者は入院、自社のドライバーは逮捕されて拘留中のため、実際にどんな事故だったのか同社では何も把握できず、あまりの重大事故に事業の廃止も考えたという。
     しかしその後、事情は変わっていく。突っ込んできたのはバイクの方ということが警察で判明し、さらに病院の証言で、救急車で運ばれてきた時にバイクの運転者から相当の酒の匂いがしたという。つまり、「早朝まで酒を飲んで泥酔した状態でバイクに乗り、信号を無視して一時停止することなくトラックの側面に突っ込んできた」というのが真相だった。早朝の逮捕後に、だんだん事情がわかり、昼にはドライバーは釈放された。
     だが、翌日の一般紙に同社の事故がニュースとして報道された。前日の昼には、ドライバーは釈放されていたにも関わらず、新聞では「自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕」と住所と本名を載せられてしまった。
     新聞1紙には、バイクが直進中に左から来たトラックとぶつかった、と記載されており、側面衝突の立場が逆に書かれ、トラック側に責任があるかのようになっていた。
     さらに、重篤状態といわれていたバイクの運転者は、泥酔していたことを自覚してか、4日後には自分で治療費を払って無理やり退院してしまったという。本人はトラック側に何も請求しないという不自然な結果となった。
     事実関係がはっきりすれば、泥酔状態のバイクが赤信号の点滅を無視して一時停止もせず、トラックの側面に当たってきた事故であり、過失割合も100対ゼロでバイク側の全面的な責任といえる。

     
     
     
     

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