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    トラック年金基金 株高で内容は改善?

    2014年2月6日

     
     
     

     財政悪化が顕著な年金基金を早期に解散させ、公的年金の資産を保全しようとする改正厚生年金保険法が成立して7か月。トラック運送業界の年金基金でも早晩、解散に向けての決断に迫られることは否めないが、その時期の判断を誤らせかねない材料がある。アベノミクスが本物かどうかは別にして、現在の円安・株高によって年金基金の資産の含み損、言い換えれば個々の加入事業者が抱える格好になっている〝隠れ借金〟が減少し、運営状態が改善したように映るからだ。


     全国に35あるトラック年金基金には、内容が極端に悪いことで厚労大臣の「指定基金」となった例に加え、「3年連続で積立金の総額が最低責任準備金の9割を下回った」「直近の決算で同8割を下回った」という指定基金の要件に近いケースが、平成24年3月末時点で全体の3分の1を占めていた。ところが、第2次安倍内閣が発足した後の同25年3月末時点では状況に変化が見え始めた。
     厚生年金基金は基礎年金(国民年金)、厚生年金に上積みされる〝3階部分〟。本来は国が担う厚生年金保険の運用の一部をトラック年金基金などが代行し、それで得た運用益によって給付額を上乗せしてきたが、資産の運用悪化で代行分を国に返上する例が増加。ただ、そのためには運用の失敗などで生じた代行部分の資産に相当する最低責任準備金のマイナス分を補てんする必要がある。
     大ざっぱにいえば、年金基金が保有する純資産と、国へ返上する際の最低責任準備金の金額が同じなら〝チャラ〟ということ。その状態を「1」とすると、同24年3月末の時点で1をクリアしていたのは、平成に入って創設された後発組の年金基金である「山梨県」「長崎県」「岐阜県」(設立年月日の古い順に記載=後出分も同様)の三つだけ。逆に、0.7を切るような年金基金も5例(大阪府、兵庫県、山口県、北海道、京都府)あった。
     ところが1年後の同25年3月末時点を見ると、「広島県トラック」「埼玉県トラック」「香川県トラック」「岡山県運輸」「長野県トラック事業」「群馬県トラック事業」「茨城県トラック」「千葉県トラック」「富山県トラック」「愛媛県トラック」「宮崎県トラック事業」「滋賀県トラック」「徳島県トラック」「和歌山県トラック」の14年金基金が1をクリア。同24年3月末でジャスト「1」だった山梨県が0.97に落ち込んだことで、この時点で1を回復したのは計16年金基金となった。
     一方、年金基金の裏事情にも詳しい関係者によれば、「同25年3月末の段階で0.95を超えているような年金基金の場合は、現時点で1をクリアしている可能性もある」と指摘。「東京トラック事業」(0.99)、「静岡県トラック運送」(0.97)、「鹿児島県トラック事業」(0.98)、「栃木県トラック」(0.98)、「山陰トラック事業」(0.99)、「山梨県トラック」(0.97)、「福井県トラック」(0.99)の七つが、その条件に当てはまる。
     すでに一部の年金基金では解散の方向性を確認し、あとは〝Xデー〟をいつにするかという段階まで来ている例もある。
     トラック年金基金の幹部関係者の一人は「解散を決めたのが4割、ほぼ解散で固まっているものの時期に悩んでいるのが同じく4割で、あとの2割は継続もしくは解散することさえ難しいグループ」と分析するが、現在の経済情勢がさらに決断を鈍らせる材料になっているのは間違いなさそうだ。

     
     
     
     
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