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物流ニュース
国分 「環境」に迫るIT化、荷主・卸・事業者の3者一体
2014年3月19日
食品卸業の国分(東京都中央区)では、委託先の運送事業者の「グリーン経営認証」の取得をサポートする仕組みをつくるなど、荷主・卸し・運送事業者の3者が一体となって環境問題に取り組んでいる。
そして、これらのデータ管理はITを活用した情報の一元化の流れにあり、安心・安全な輸送の確保だけでなく、日常業務の効率化、持続可能な経営の実現を促すものとして導入が進められようとしている。アナログからデジタルに移行する過渡期ともいえる今、IT化の要望に応えられるかどうか、事業者は決断を迫られている。
「グリーン物流パートナーシップ」にモデル事業段階の2005年から参加している同社。系列子会社のグリーン経営認証取得のノウハウを生かし、認証取得希望の事業者に対し、取得を手助けするシステムの導入や燃費管理機能の提供をしている。同社が委託している事業者のうち77事業所(2011年時点)が取得済。全営業所の3分の1が取得している。
環境分野において、荷主は国から「改正省エネ法」に基づき物流エネルギーを毎年1%減らそうという努力目標がある。この目標を達成するには流通全体への配慮が不可欠で、仕事のパートナーとして卸し先の国分としても対応する必要がある。つまり、荷主、卸し、運送事業者の3者が協力体制になければならない。
その実現にむけて、同社は、事業者にただ一言協力をお願いするのではなく、グリーン経営認証に取り組むことで、燃費向上による燃料費の削減、事故削減、コスト削減、車両管理の向上など事業者側にもメリットがあると考えている。
改正省エネ法の特定荷主事業者として、日々データを集めて国に定期的に報告する義務があるという。全国に営業拠点があるので、いかに効率的に正確なデータを取るかが課題となっているようだ。
現在のデータ集計はアナログ。すべての事業者がデジタコを導入しているわけではないので、事業者の燃費データなどが直接同社のサーバーに飛んできて自動集計されるようなネットワーク構築は現状では難しく、エクセルで月間値をまとめてもらい随時報告されている。また、ドライバーに負担がかからないよう、小規模の営業所は日報データを提出すれば、その上の運送事業者が自社のシステムにデータを入力し、集約されたうえで同社に提出されているという。
国交省ではデジタコの義務化が検討されているが、「今後、IT化の流れに対応できる事業者は強い」と経営企画部広報担当の安部エリ子氏は話す。
もちろん、定時・定配、誤配のない安心・安全な輸送がベースにあって、はじめて環境問題に取り組むことができる。同社もグリーン経営は効率化の一つの道具として捉えていて、その中でIT化を進めることは、煩雑な入力などの業務コストの削減やドライバーの負担軽減、経営の円滑化につながるとしている。安部氏は「これまで取引してきたパートナー。『国分のために』ではなく、『皆で一緒にもう1ステップ上がろう』という気持ちで取り組んでいる。導入コストはかかるが、先を見据えて結果的にコスト減になる」と話している。
◎関連リンク→ 国分株式会社この記事へのコメント
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