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    ヒトを生かす「労務管理」 企業の信頼を高める

    2014年3月31日

     
     
     

     労務管理は、労働者・人材の有効活用を指しており、「ヒト」を生かす管理活動を推進するうえで、各運送会社が人材採用で重視する点や取り組みについて聞いた。
     愛知県内の運送会社では暑い夏のある日、社員が上着を脱いだドライバーの背中に入れ墨を発見した。その話が社長の耳に伝わり、真面目で人柄も問題ないドライバーだったが、「会社のイメージもあるので、やむを得ず辞めてもらった」というケースがあった。経営者は、社員の人柄が良くても、時には厳しい判断をしなければならない場合もあるようだ。


     また、労働トラブルを起こさないための対策の一つとして、名古屋市港区内の運送会社は、「初めから期間限定の契約社員として雇用している」と話す。
     豊田市内の運送会社は、女性のパート社員やドライバーを採用する際、人柄や会社との相性を総合的に判断してから正式に雇用しているという。「試用期間中に断るケースもある」とし、同社にパート事務員として応募してきた50代の女性は、完璧主義で仕事も良くできたが、社長は最終的に不採用とした。
     「神経質すぎて、会社が求めている人材とは違った。優秀すぎる人よりも、不器用でも一生懸命仕事をする人を採用する」と理由を話す。
     また、同社ではトラブルが起きないよう不採用と判断した場合、前もってはっきりと理由を告げ、次の仕事が見つかるまで雇用しているという。
     ドライバーについては、売り手市場の状況を示しているが、流動性も否定できない。同県内の運送会社は、給料や福利厚生が充実しているが、それ以外の面でもドライバーを大切にしている。
     同社では社内イベントとして毎年、ドライバーコンテストを開いている。今年からドライバーの家族のために、日頃の安全品質の協力の感謝の気持ちを込めてノベルティなどのプレゼントを贈る予定だという。
     同社幹部は「子どもらに普段見られない働く父親の姿から、改めてドライバーという仕事を見直してもらえるイベントになれば」と話す。会社とドライバーとその家族の〝コミュニケーションの場〟を作ることで、会社を知ってもらい、仕事の理解を高めている。
     ドライバー不足が叫ばれている今、運送業界としての魅力を向上させる必要がある。最近は、使用者・労働者の立場に関わらず、正しい労働法規の知識が問われる時代。適正な対応、行動を取ることを重視し、企業の信頼を高めることを目的とした労務管理が求められている。

     
     
     
     

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