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物流ニュース
ナットは緩むもの? 後絶たぬ車輪脱落を考える
2023年12月14日
大型車の車輪脱落事故が多発する時期が迫っている。ホイールがスチールだと100kg、アルミでも80kgほどになる塊が目の前に…そんな事故が昨年度、全国で過去最多を更新(140件)した。国交省のまとめでは、そのうちの93件が11月~翌年2月に発生。また、左後輪が外れるケースが全体の94%を占めており、かねて事故原因の可能性を指摘される「左側走行の日本に合わないISO規格のホイール締め付け方式」が頭をよぎる。適切な増し締めを求めることと合わせ、「なぜボルト・ナットは緩むのか」という問題を知らせることも事故防止には重要だ。
●変更から13年
国交省は整備管理者制度の運用に関する通達を改正し、10月からは整管者にタイヤの脱着や増し締めなどの保守管理の徹底を求め、違法な状態で事故を起こせば運送事業者の行政処分と合わせて整管者の解任が命じられる。小規模な営業所では日常のタイヤ管理をドライバー任せにしているケースもあり、まずはドライバーへの意識付けが必要となる。
岡山県にある山陽道・吉備SA(上り線)で10月4日、車輪脱落事故を対象にした街頭検査が行われた。岡山運輸支局が県警察本部や自動車技術総合機構、ネクスコ西日本などの協力を得て実施したもので、51台の大型車のナットの緩みなどをチェックした。
同支局の森下賢二・首席陸運技術専門官は「令和4年度に起きた140件のうち中国運輸局管内は7件と多くないが、3件が岡山」と、県内で初めてタイヤに特化した街頭検査に至った経緯を説明。ハンマーを持った担当官がナットを叩いて確認していたが、同日の検査で緩みは見つからなかった。脱落事故が11月~翌年2月に集中することを踏まえれば、検査時期が少し早かった感もある。
トラック事業者や整管者、ドライバーら大型車両の関係者に向けてタイヤ周りの管理徹底の呼び掛けが重ねられる。ただ、そうした場面で「日本の道路事情に合わないISO方式」のリスクが啓発される光景を見ることは少ない。
●草刈機を例に
これまで本紙でも触れてきたJIS、ISOの2つの規格の違い。タイヤの回転方向とネジの緩む向きが反対としてきたJIS(日本産業規格)方式が、総輪に右ネジを採用する国際標準化機構の定めるISO方式に変わって13年。
岡山県北部のトラック経営者は「田んぼの手入れをするドライバーも多く『いまのホイールは、使うほどネジが緩んで刃が飛びかねない草刈り機みたいなもの』…そんなふうに話す」と苦笑する。トラックタイヤを販売する兵庫県の会社幹部も「扇風機と同じ。緩みの具合がわからないからナットキャップを付けないでほしい」と話す。
規格の変更で生じたリスクはネジを締める方向の違いだけではないという。「例えば、JIS方式ではダブルタイヤにインナー・アウターの2つのナットが備わっていたこと、さらにその両方がテーパー形状で食い込むようになっていたが、それら安全配慮の規格が変わってしまった」とタイヤ販社の関係者。
車輪の脱落防止には日常点検や、定期的なメンテナンスが大切なのは間違いないが、実際にハンドルを握って大型車を走らせるドライバーがリスクを理解しているかという問題。人手不足も手伝い、トラック運送の現場には「オイル量さえ確認しない素人が増えた」(兵庫県姫路市の運送事業者)という現実。整管者の責任を強化するのと合わせ、「ナットは緩む」ことをドライバーに意識付ける啓発活動も求められる。
この記事へのコメント
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物流メルマガ
アルミ履いてる磨き魔だったらキャップ付けたいだろうねぇ。でも点検するためには低床で64個のナットキャップを脱着しなければならない。最近のキャップは硬いからね、素手で脱着できない物がほとんど。緩かったら飛んでっちゃうからそれも危ないけど。取り付け時などゴムハンマーで上から叩いて取り付けてる感じだから。毎日の乗務前点検ではやってる時間ないでしょうねぇ。全部外すのに早くて30分くらいはかかります。やってる内に手が疲れるし。点検項目だからキャップは付けず毎日点検ハンマーで叩きましょう。ただ叩けばいいってもんじゃないけどね。緩んだナットの音を聴き分けましょう。
点検の意味って緩んでないか確認するためのものだから叩かなくてもマーカーで印付けておけばそれで足りるらしいが、まあ確認するためにキャップ外すだけでも大変だよな。
全部外すのに早くて30分くらいはかかる←大変勉強になりました。
>>「なぜボルト・ナットは緩むのか」という問題を知らせることも事故防止には重要だ
って言いながら冬用タイヤへの交換直後の事故が多いとか、冬用タイヤに替える地域に多い(=「脱落事故が11月~翌年2月に集中する」)、車齢4年以上の車両に多いとか整備工場やタイヤ屋ではなく使用者自身が交換したときに多い事には触れないのはなんでなん?国交省もチラシ作って適切な点検や交換作業を呼び掛けてるよね。
ISO方式のリスクだの指摘だの言ったって、全く根拠がない上にそれを示唆するような事情もないんだから主張しようがない。左側通行なのはイギリスもオーストラリアも一緒で日本だけじゃないし、左後ろに多いのは脱落する前の異変に運転者が気づきにくいだけで、ボルトの折損や緩みはどのタイヤでも起きてる。
トラックドライバーは脳ミソが軽いから無理だな。
交通ルールすら守らない低級人間が多数。こういう連中には厳しい取締りと厳罰しかない。
低級はねーだろう。こんなコメントしか書けない方が低級じゃね。
お前こそポンコツ軽でゴキブリの如く右いっちゃ左に行って次の信号で追いつかれるマヌケだろ。偏差値30以下は糞したら手で拭けよ。アホ
誰だおまえ
実際貨物輸送の安全とかそういうの置き去りにして「捕まるか」「刑罰が痛いか」が行動の基準になってる人が道路には居るってことは知っておくべきだと思う。
ご自身がちゃんと社会で守るべきものがあってルールを守ってるなら、あなたに向けられたコメントじゃないから反応しなくていいよ。
まったく論点がズレてますな。
仮にそうだとしたら、ますますリスクが増えるのが予想される施策をした方にも大きな問題有りじゃないですかね?
そこのお考えをお聞かせ願いたいものです。
バイクだとナットが外れない様に割りピンを入れていると思うが、何故車のナットだけなんだ?
サムネイル写真 左手がタイヤの上にあるけど間違っている。
ちゃんとナットを支持してたたかないとわからないぞ。
この絵面だと 打音検査 ですけど、素人には聞き分けるのは難しいですよね。
緩み方向に叩き ナットの反対側に指を当てて、振動を拾いとる方が簡単。
そもそも、550kあたりのトルクレンチ持ってる会社がどれほどあるのかすら怪しい世界ですけどね…
そのとおり
閉まる方向です
工場の回転物機械はだいたいが逆ネジになっているが
車では何か不具合出るのかな?
出なければ逆ネジの方がいい様に思う
機械の回転軸部分に使うと回す方に力が働いて緩んだりするから逆ねじなんだと思う。
NASCARやF1や一部の超高級車みたいな回転軸1か所でタイヤを止めてる車は左右で逆のねじを使ってるし(どっちが正で逆かはメーカーによってまちまち)、今の大型のダブルタイヤもハブごと?外すときには逆になってるよね。
JIS規格の頃が懐かしい。今よりも安心して乗っていられました。
H16にはもう国交省が検討会を設置する程度に問題にはなってたけどな。知らぬが仏
みんな3カ月点検してるふりしてる結果だよ
確かに昔はナットの脱落は少なかったかもしれないが
締まりすぎてボルトが破断するって事はあった
結局はしっかり点検しろってなるんだけど打音検査で緩み発見できる人なんか一握り
ナットにマーカー付けとけが一番現実的に思える
今は走り出してから緩むから厄介なんだよな
止まっている時はマーカーしてもズレてないんよ
昔は走ると締まるんよだから締まりすぎばかりだった
点検が面倒くさいなら、走行距離を決めて締めちゃえば良いじゃないか(笑)
俺はそうしてる。
どれくらいの距離とか積荷で緩むのか見るようにしてる。
積荷、走る道によって何気に少し緩んでくるもんだよ。
わずかな緩みでも他のナットに広がるからね。
グリスアップしない人は居ますか?
グリスアップどころか増し締めもしていないのでは。
一部の業者は自家用車感覚なんだろう。
言ってることはわかるが昭和思考ってか現代では違法なんよ
労働時間を減らしているのに整備の仕事まで増やすのかな
大抵のドライバーなんて知識も技術もないしYouTubeで見よう見まねでやったら壊すだけだし
整備士が足りないし金もないしそもそも日勤整備士がいる時間はトラックは仕事をしてて走っているから物理的に無理かと