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    ハウス食品 SCM活動で欠品率、廃棄金額改善

    2014年5月7日

     
     
     

     昨年11月に創業100周年を迎えたハウス食品(大阪府東大阪市)。同社の物流部門は、2003年に物流部からSCM部に組織変更された。単なる名称変更ではなく、翌2004年にはSCMシステム業務をスタート。現在は23人体制で業務に取り組む。
     SCMシステム導入の背景は、「過剰が多く発生し、製品廃棄や製品消化コストが増大し、利益を圧迫。また、欠品の発生が販売チャンスロスや得意先からの信用問題となる」と、SCM部長の坂元竜二氏。解決すべき課題として、「業務が個人についており、判断が経験に依存している(属人的)」「各部署の仕組みでそれぞれが業務を行っているため、部分最適になっている。部門ごとにシステム構築と業務改善を行ってきたが、システムの連携が全体最適の観点でできていない。現状肯定型での改善にとどまっており、現状否定の改革に踏み込めない」「売り上げ達成を優先し、欠品を恐れた厚めの生産を行う環境で、製品ごとの在庫責任、過剰・欠品発生に対する責任が明確でない」「計画から実行までの評価が、継続的に行われていない」などがあった。


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     そこでSCMシステムの導入に至るわけだが、その狙いとして「必要な商品を『必要な時に』『必要な数量を』『必要な場所へ』『鮮度高く』無駄なく供給し、変化対応力のある生販在体制を構築する」ことを掲げる。欠品や過剰、廃棄、消化コストの削減や在庫削減、人件費削減、物流費削減、業務の精度とスピード向上、効率化を目標に掲げ、システム導入を機会に、仕事のやり方を変えて革新へつながるように取り組んだ。
     SCM業務について同氏は、「生産(資材調達)から納品までの製品流通過程において、需要予測を起点にした生産・在庫管理を立案・遂行し、過剰在庫や販売機会損失の極小化を実現するもの」と説明。資材調達から生産・供給計画、在庫に関する責任を担うとし、「システム化とはいえ、人の判断が重要」と話す。
     SCM活動により欠品率、廃棄金額は改善されたが、在庫率は横ばいで推移しているという。在庫削減のために同社では、新製品については「8W4Wルール(8週前に生産計画を準備、4週前に案内、商談状況から計画数を修正するというルール)の再徹底」を図り、既存品には「新たな在庫基準の策定」「販売数量確認システムの運用による需要予測精度アップ」を、業務用には「販売情報の精度向上」「終売製品の提案」など、問題解決への方向性を示す。
     今後の課題と展望として、「調達から生産、在庫、納品というSCMの流れの全社理解促進」「在庫・廃棄から見えてくる課題の抽出と社への提言」「物流子会社のハウス物流サービスとの協働によるロジスティクスの強化と提言」「SCMという組織のステージアップ」「中国、ASEANなど海外からのSCM要請への対応」「ハウス物流サービスとの良い意味での緊張関係の継続」を挙げる。そして、人材の育成が最重要課題であるとし、「個々人がマーケッターになろう(店頭をもっと見る、ナゼを追求する)」「モノを言うSCMになろう」「SCMはもっと強くなろう」など、同氏は日頃からメンバーに訴えかけている。
     (ハウス食品取締役SCM部長・坂元竜二氏。JILS主催のロジスティクス関西大会2014にて講演)
    ◎関連リンク→ ハウス食品株式会社

     
     
     
     

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