埼玉県の事業者を訪問した際、何やら来客と話しこんでいる同社社長。聞くと、トラックを売却するので、ディーラーにいくらで売れるか見積もってもらっている最中とのこと。
　同社では、昨年早々に大型トラックを２台購入、その後も４トントラックを購入するなど、増車を続けていた。この時期の売却と聞いて最初は首をかしげたが、詳細を聞いて合点がいった。

　同社では年末、２人のドライバーが相次いで退社。「繁忙期は何とかいてくれたので、パニックには陥らなかった」というが、繁忙期が終わると同時に辞めてしまったという。人材募集を行ったものの反応は全くなく、採用には程遠い状況で、「このままトラックを遊ばせておくのはもったいない」と同社長は結局、トラック売却を決断したのだ。
　「これだけ人材不足が続くと、車を増やすどころか維持するのも難しい」と、人材確保の難しさを指摘する同社長。「とりあえず、ドライバーがいなくて今は使えないトラックは処分し、現金化しなければ経費の垂れ流しになってしまう」と、危機感を募らせている。