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    王子マテリア江戸川工場 荷主と物流事業者「信頼関係は財産」

    2014年7月25日

     
     
     

     首都圏では毎日、膨大な量の紙が消費されている。家庭の新聞紙や雑誌、オフィスから出る機密書類などは資源として溶解処理し、お菓子やティッシュのパッケージの素となる白板紙に生まれ変わる。一連の古紙の再利用を可能とする、都内唯一の製紙工場が、王子マテリア江戸川工場(東京都江戸川区)だ。輸送距離が短いため、効率がよく、輸送中のリスクも抑えられるという。
     ひと月に同工場から約1万トンの白板紙が出荷され、福島などの遠方から運んできたトラックは帰り荷として白板紙を運んでいくことができる。そのため〝砂漠のオアシス〟と呼ばれ、長距離ドライバーにとってありがたい存在になっている。


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     江戸川工場の物流は、すべて平田紙興(同)がアレンジしている。「戦前からの付き合いになるので、製品の輸配送をお願いしてかれこれ70~80年になる」と高木洋工場長。1996年に新王子製紙と王子製紙が合併した際も、引き続き平田紙興が担当することになった。その鍵となったのは、同社がこれまで蓄積してきた莫大なノウハウだ。「もし入札で年間1億円の削減ができる事業者が現れたとしても、変えるリスクの方が大きい。地元を知り尽くした運送事業者の方が安心して任せられる」と事務部の鳥屋部岳治部長は話す。また、同社から先を見据えた提案があることも影響したようだ。
     同工場では、構内で働くすべての従業員に対して安全講習を行っている。鳥屋部部長は月に1回倉庫を回ってオぺレーターやドライバーの話を聞き、平田紙興が行う安全会議にも顔を出すようにしているという。
     また、都市部にある工場のため、近隣に対する配慮を怠らない。何か起きれば仕事がなくなるという危機と常に隣り合わせにあるからだ。「タイヤ騒音などクレームが来ることもある。トラックが事故でも起こしたら、工場の存続にかかわる致命傷になる」。両氏から安全に対する強い意識が感じられる。特に地方からくるドライバーには、地元と都市部を走る違いを考えて走ってもらうよう指導しているという。そのような細かい指導のことを考えても「地域の事業者と付き合いの深い平田紙興さんは強い」と高木工場長は話している。
     さらに、同工場では物流事業者と荷主の信頼関係をビジネスに生かそうと、機密書類の処理サービスに取り組んでいる。荷主が取り扱いに困っているような書類を物流事業者がサービスの一環として預かり、同工場に運ぶというものだ。「少量でもいいので、すぐに手放したいものがあれば空いた時間に持ってきていただきたい」と鳥屋部部長。トラックの空き時間を有効活用でき、回転率のアップも期待できるという。「荷主と物流事業者の信頼関係は財産になる。特に文書を一時保管しているような倉庫業者に利用してほしい」と話している。
    ◎関連リンク→ 王子マテリア株式会社

     
     
     
     

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