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    経費負担分の転嫁は 燃料価格の高騰に苦しむ事業者

    2014年4月26日

     
     
     

     燃料価格の高騰で苦しむ運送事業者が多く見受けられる。さらに消費増税が重なり、まさに事業者にとっては弱り目にたたり目だ。燃料サーチャージ制度が、現状の燃料高騰の問題解決の糸口になっていないケースもある。各事業者に燃料高騰による経費負担の転嫁が行われているかを聞いてみた。
     大阪市住之江区の事業者は「2月と比べ4月には燃料単価が9円上がっている。それを基に計算すると、増税前に比べ燃料代が4%上がっていることになる。このままでは経営が厳しくなる一方だ。長い付き合いのある荷主に対してはサーチャージを求めることができるかもしれないが、他の多くの荷主には言いづらい」と本音を漏らす。


     「増税で厳しいというが、まだどれだけ負担になるのかが分かっていない」と話すのは、同市鶴見区の事業者。「もし荷主に燃料の上昇分だけでも運賃を上げてもらえないのなら、自社でやりくりするしかない。これまで、経営が厳しいときもドライバーの給料は下げずに何とかやってきた。荷主に上昇分を転嫁してもらえるよう交渉していきたい」と話す。
     同市旭区の事業者は、「昔は軽油が100円を超えるとは思っていなかったのに、今は120円超えが当たり前。1月と4月を比べると1Lあたり約3円も上昇している。燃料代だけで年間3000万円ほどかかるので死活問題だ。増税前の車両不足の時期には転嫁できたかもしれないが、今は難しいだろう」と窮状を訴える。
     また、同市北区の事業者では「燃料高騰や増税で経営がひっ迫している時に、荷主に運賃の値下げを要求された。世の中の流れに反する要求に戸惑っているが、今後は自社の燃料代の推移に関する資料を持って、荷主に運賃交渉したい」と話す。
     一方で、対策を講じている事業者もある。同市淀川区の事業者は運賃交渉の際、毎月の平均走行距離と燃料費の経費に占める割合を算出して資料として提示し、燃料サーチャージとして転嫁している。「燃料高騰による負担を転嫁できないのはおかしい。これこそ運送業界が弱い立場に立たされている証拠」とし、「荷主の言いなりになっているようでは事業がうまくいかない。断られるのも覚悟で、強気の交渉をしている」と話す。
     以前は、燃料高騰の問題で行政が適正な取引を確保するための相談窓口を設置した事例もある。しかし、燃料高騰問題は運送業界だけでは解決が難しい。現状では事業者側と荷主側が歩み寄り、話し合いの場を設けて取り組んでいくしか道はないのではないか。
     このままの状態が続けば、倒産や廃業などで事業者が減り、繁忙期や今年2月の大雪の時のように物流網が麻痺し、国民生活に影響を及ぼすことになりかねない。日本経済の底支えの役割を果たす物流業界が苦しい状況では、ライフラインとしての責任を果たすことができなくなるのではないかと危惧される。

     
     
     
     

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