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    求人は給与より「安心感」 求職者を惹き付ける条件は

    2014年6月30日

     
     
     

     トラック運送事業者による「ドライバーが集まらない」といった声が増えてくる中、「必要な時に必要な人数を採用できており、深刻な人材不足は感じていない」と話す事業者も少なからず存在する。このような会社では、給料ではない要素で求職者を惹きつけているケースが目立つ。重要なのは「安心感」だという。
     2〜4トン車で雑貨の配送を手掛ける道央の事業者は「一昨年の夏頃からドライバーの採用が出来なくなった」と嘆く。ハローワークのほか、新聞の折り込みチラシ、インターネットの求人サイトを活用しているが、全く採用できない状況だという。同社は求人媒体に20万円を切る給与を提示しているが、「これではいつまでたっても人は来ないので、給与の額を上げて求職者にアピールしたい」と考えている。しかし、現実的に「昨今の監査・行政処分基準の改正で、労働時間を減らすことを余儀なくされたため、それも不可能」と頭を悩ませている。


     一方、「ドライバー不足に悩んでいない」と語る道央の老舗通運会社の管理者。「通運という社名で『安定している』『ブラック企業ではない』といったイメージがあるのか、安心感を求めた人材が応募してくる。ただ、求人紙などにかける1回あたりの予算は数十万円にもなり、それを考えると決して安いものではない」と苦笑いしている。
     道東の事業者は「ドライバーが足りなくなると、不思議とすぐに人が採用できている」と話す。社員数20人程度の同社は昨年度、一度に3人のドライバーの退職が重なったが、その穴埋めも問題なかったという。同社はHPやブログで積極的に社内活動を発信しており、「若い人はスマホで応募する会社を調べている。HPを持っていない運送会社よりも、社長が顔を出して日々の活動や考えを発信する方が、間違いなく『この会社は安心できる』と思ってもらえる。それを狙って続けているが、実際、採用した人から、そのような答えが返ってきたので、有効な取り組みだと再認識した」と語る。
     「ドライバーの年収は大型車で平均350万円あまり」とする道央の事業者は「給料が全て」「バンバン稼ぎたい」といった求職者が本当にいなくなったと実感している。それでも適時、人材の採用に成功している。現在、求人方法はハローワークがメーン。新人の求人条件は当然、同社の平均給与より低い給与を提示しているが、それでも「この会社で働きたい」という人材を選んで採用することができている。近頃では、大手運送会社から30代の若手数人が転職してきた。
     同社の強みのひとつは、「お盆、年末年始、日曜、祝日が基本的に休み」という労働条件。運送会社では不規則な勤務形態が珍しくない中、「とくに若い人は、このような条件を好んでいる」と認識しており、荷主から日・祝日の仕事の依頼が来ているものの、これを断っている。
     北海道労働局が発表した3月の「職種別、求人・求職・賃金状況」では、「運搬、配達、倉庫作業員」のパートを除く求人賃金(求人最低賃金額の平均額)は15万3655円。一方、求職希望賃金は同じく17万3298円と2万円近くの差がある。安定的な人材確保のためには、このような賃金のギャップを埋めることも重要だが、「安心して働ける」企業として認識してもらうことも必要になっている。

     
     
     
     

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