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    貨物列車減便の影響 マイナス1500億円超に

    2014年9月17日

     
     
     

     日本物流学会北海道支部、北海道運輸交通研究センターは7月28日、「暮らしと貨物輸送」と題したシンポジウムを開催。北海商科大学の阿部秀明教授と相浦宣徳教授は基調講演で、平成28年の北海道新幹線の開通後、JR貨物の貨物列車が減便され輸送力が落ちる影響によって、「北海道からの移出だけで経済波及効果はマイナス1500億円を超え、とりわけオホーツク圏と道北圏には著しい悪影響がもたらされる」という試算を発表した。
     この発表は「青函共用走行がもたらす地域経済への影響評価〜産業連関分析に基づく試算」と題して行われ、新幹線の開通で貨物列車が現状から「1日片道3本減便される」というシナリオを設定。産業連関分析によって品目別、地域別に経済波及効果を試算した。


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     減便される3本の列車によって年間35万トンの道産品の移出が行われており、とりわけ農産品の5%、食料工業品の4%が賄われていると説明。これが走れなくなることで、「北海道全体で867億円の移出額の減少となり、経済波及効果は1568億円のマイナスになる可能性がある」と指摘した。
     地域別に見ると、オホーツク圏では食料工業品の17%、農産品の12%が運べなくなり、移出額は427億円の減少、経済波及効果は674億円のマイナスになるとし、道北圏では食料工業品の14.5%、農産品の11%が運べなくなり、移出額は292億円の減少、経済波及効果は448億円のマイナスになると試算した。
     両教授は、「鉄道貨物輸送に焦点をあて、地域における経済波及効果を金額ではじく試みは恐らく日本で初めて。青函共用走行問題は決して鉄道貨物だけの問題ではなく、北海道経済全体の問題。これに移入分を加えると、更に大きな影響が出ることは明らか。対応を誤ると北海道と道外間の輸送全体の脆弱化につながるので、今からあらゆる対応策を考えていく必要がある」と話した。
     また、同大学の佐藤馨一教授がコーディネーターとなり、阿部、相浦両教授とホクレン農業組合連合会の溝渕元康課長、北見商工会議所の舛川誠副会頭(北見通運社長)、札幌商工会議所運輸自動車部会の伊藤昭人部会長(シズナイロゴス会長)が参加するパネルディスカッションも行われ、貨物列車の減便への対策として、「効率的な輸送のために道南地域にヤードを設け、急ぎのコンテナとそうでないコンテナを区分けし、積み替える」「青函連絡船を復活させる」「農産品の出荷ピークを平準化させる」などの提案がなされた。

     
     
     
     

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