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    全国ネット構築へ、若手社長が奮闘「全国巡業に出発」

    2014年9月25日

     
     
     

     地域内の融通配車に代表される地縁ネットワークに限界を感じる若手運送経営者が、独自の全国ネットを作ろうと模索している。地縁ネットに特有のウェットな関係を越え、かつ独自ネットのもつ採算性を両立させようとする試みだ。
     「全国巡業に出ようと思っている」。4トン車を中心に約20台を保有する近畿地方の運送事業者は、声を弾ませた。5年ほど前に父の代から引き継いだ2代目で、40代後半。父の代で世話になった荷主のほとんどとは縁が切れ、独自の展開を図ってきた。


     いま、直荷主はほとんど持たない。地場輸送に加え、長距離もこなす。そうした流動化の進んだ取引状況のなか、20台分の荷物の手配は全て社長が取りまとめてきた。ひっきりなしに固定電話、携帯電話が鳴るが、処理速度もすでに手慣れたものだ。直荷主が少なくなってきた数年前から、トラックをなんとか使ってもらおうと始めたのが地元の事業者との付き合いだった。父の代も含めそれまでほとんどなかった「下請け」をするようになった。病気がちでも健在の父との葛藤は絶えないが、「黙っていてくれ」と何度もはねのけてきたという。「かかってきた電話は断らない」の方針のもと、地元同業者との付き合いはどんどん増えていった。地場輸送から長距離輸送まで何でもこなしてくれると同業者間での知名度も上がり、仕事を呼んだ。
     しかし、悩みもここにきて出てきた。重宝がられるほどに、同業者からの緊急対応の要請が多くなった。繁忙期などは毎日のように「明日の昼までに名古屋に着けてくれないか」と電話が入った。社長はこの要請を「泣きの電話」と呼ぶ。
     「泣きの電話が入るとつい…。でも、それをしていては固定荷主のもとで用立てするのと同じことになる」。ウェットな地縁関係で結ばれるとつい、自社でできること以上を要求されれば断れない性格、と「自己診断」する。一方で、全国展開する大手の取扱業者からも帰り荷のあっせんをここ数年、受けてきた。こちらはウェットな関係こそないが、その分運賃が稼げない。
     「全国行脚」は、そうした二つの悩みの解消策として頭をもたげてきたものという。取扱業者を介さずとも取引のできるような同業者がすでにいくつもできた。「あいさつに行けば、すぐに直取引してもらえる」と社長は話す。独自のネットワークを各地で数業者ずつ持つことで、長距離までの対応力と機動力ある自社を生かした仕事は十分に可能だ、と判断する。「機は熟してきた。ドライバーの一人が配車業務ができるようになれば全国巡業に出たい」。直荷主に固執しない独自の動きに注目したい。

     
     
     
     

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