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    経営安定に現状分析あり ピンチをチャンスに変えた事業者

    2014年11月18日

     
     
     

     燃料価格高騰や昨今の人材難など、業界を取り巻く環境は逆風に見舞われている。しかし、そんな厳しい経営環境の中でも、状況に先んじて経営方針を転換したことで、ピンチをチャンスに変えた事業者が存在する。ターニングポイントの裏には、経営者の先見の明とも言える現状分析があった。
     関東総合輸送(清水浩社長、埼玉県行田市)は15年前、会社の方針を180度変えるという大きな決断をする。同社は、大手陸運会社出身の清水茂会長が平成元年に設立し、2トン車7台の運送会社としてスタートを切る。
     清水会長によると、同社はその後も順調に業績を伸ばし、ピーク時のトラックは160台まで増えたという。しかし、そうした中でも、「運送業に一抹の不安を禁じえなかった」と、どこかにトラック運送業の将来を危惧していたという同会長は平成11年、熊谷市に配送センターを建設、倉庫業への参入を図る。


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     当時はまだ、倉庫は倉庫、運送は運送というように、別々に経営が行われていたというが、同社はその考え方を排し、倉庫と運送をつなぎ合わせた。
     保管から流通加工まで幅広くこなし、ノウハウを蓄えていく。そして平成16年、行田市に大規模集中型の倉庫を建設する。
     一方、その間、運送業では、160台あったトラックを徐々に減車していく。交通事故や燃料費高騰というリスクを回避するとともに、輸送品質の向上を図るためだった。
     運送部門は、予想通り燃料費が上がっていく一方、運賃はそれに比例しない。コストは上がっていくばかりで、利益が目減りしていくという状況を迎える。
     しかし、倉庫が安定し、さらに太陽光発電事業が経営の安定を後押しし、運送部門の影響は同社にとって大きなものとはなっていない。
     もし、15年前に方向転換をせず、運送業に固執していたら、「今のような余裕のある経営はできなかった。コスト増で四苦八苦していたかもしれない」と同会長は本音を漏らす。
     燃料価格の高騰や人材不足などの問題を抱えるトラック業のリスクを先んじて考え、運送だけでなく、倉庫や流通加工など、総合物流へと幅を広げたことで、同社は厳しい経営環境の中でもしっかりと利益を計上できる体制を構築している。
     建材の運搬を手掛けるあかとき物流(同県深谷市)は、もともと新築現場への輸送がメーンだったという。しかし、創業者の小宮俊光社長は、「これからの人口減少は明らか。住宅需要も減っていくに違いない」と、バブルの余韻が残る90年代から、いち早くリフォームの分野に取り組んだ。その後の景気低迷で、新築物件の数は落ち込んでいったが、中古物件のリフォーム需要は社長の読みどおり増えていった。
     しかし、順調に業績を伸ばしていた同社にも、リーマン・ショックの荒波が押し寄せた。どの業界も軒並み物量が激減した当時、同社の業績も悪化した。それでも、いち早く回復できたのは、「他社に先駆けてリフォームに取り組んできたから」と、同社長は振り返る。人が住んでいるところへの搬入は、単なる建築現場とは違ったスキルが必要とされるため、実績のあった同社に声が掛かったのだ。
     「経済情勢を見極めて、何に注力するかを考えてきた」という同社長。オリンピックを控え、荷動きが出てきたいま、「あと5年で会社の健全化を図ること」がオリンピック後を勝ち抜く最低条件とする。
     関東総合輸送も、あかとき物流も、当時としてはまだ一般的でなかった事業形態を積極的に採り入れてきた。
     今は仕事が順調でも、その先はどうなのか。二つの事業者は、そのような共通の視点を持って方向転換を図った。現状を踏まえ、一歩先、二歩先を見据えて行動したことが、両社に安定をもたらしたといえる。
    ◎関連リンク→ 関東総合輸送株式会社
    ◎関連リンク→ 株式会社あかとき物流

     
     
     
     
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