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物流ニュース
ワコン 積載率の向上でドライバー不足を解消
2014年11月26日
和歌山県紀の川市に本社工場を構えるワコン(西田耕平社長)は、昭和47年に設立された包装用品製造会社。「他に誰もできないことを、チームワークと創意と情熱で成し遂げ、お客様の物流をより効率的なものにするための製品とサービスとシステムを提案・提供する」を経営理念に、現在では段ボール製造の他に、物流に携わる多くの製品を生産している。
同社は軽量で、なおかつ丈夫な製品の製造開発を進めていて、同社で製造される商品の中には軽量・強化プラスチックで製造されたパレットをはじめ、保冷ボックスで軽量・折り畳み可能なカゴ車用保冷カバーのサーモボックスカーゴなど、物流業界で今までにない商品を扱う。日本包装技術協会が主催し、包装業界の技術開発力を競う「日本パッケージングコンテスト」で同社は、2007年から8年連続で入賞し、中でも2012年には防水タイプの大型ボックスパレット「防水ワコポン」が最高賞である「ジャパンスター賞」に選ばれるなど、業界有数の設計力を保持している。
包装用品の中でも現在、業界が注目を寄せているのが、カゴ車用保冷カバーのサーモボックスカーゴで、同商品は第三者機関の協力のもと実験を行い、保冷剤8本(融点マイナス25度タイプ)を使用して、外気温5度で、マイナス18度以下を24時間キープするほど保冷力に優れており、物流業界を強力にサポートしている。
西田社長は、「物流を制する者は市場を制する」と考えていて、特に製造工程上で大幅なコストダウンが難しくなってきた昨今、製品をいかに効率的に消費者に届けることができるかが、企業の競争力を左右するようになってきたという。ますます戦略的物流の重要度が高まってきたと言える。
一方、ロジスティクスには、まだまだ大きな無駄や問題が横たわっている。例えば、国交省が発表している貨物用トラックの積載率の直近のデータは43%という驚きの数字が出ている。これを100%に近づけることができれば、トラック輸送は現在の半分になり、最近指摘されている2015年問題(約14万人のドライバー不足)を回避することも可能だ。
43%という極めて低いトラックの積載率を上げるためには、従来の納品形態(時期・頻度・ロット)を見直すことができれば即効性があるかもしれないが、現実的ではない。同社は包装を見直すことで、積載率を上げられると考えている。包装は物流のための単なる手段に過ぎないと考えていられていたが、包装こそが物流を変える力になるとの発想から、同社では様々な研究と開発を進め、包装用材料の軽量化にも着手し、さらに耐久性、保冷能力向上などに取り組んでいる。
西田社長は、現在は大手物流事業者と一般貨物運送事業者に配送を依頼しているが、「やはり物流業界も二極化が進んでおり、保守的な物流事業者では荷主企業にとってもマイナスにしかならない。新しいことに取り組む物流事業者が今後、この厳しい業界で発展していくのではないか」と指摘。さらに、人材不足が深刻化していく中で、「効率的に大量に商品を輸送するなど、今後も様々なところで輸送の効率化が求められるのではないだろうか」と語った。
◎関連リンク→ ワコン株式会社この記事へのコメント
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