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    過疎地支える輸送「活力取り戻す」

    2015年2月26日

     
     
     

     少子高齢化などを背景に過疎化が進む地域では、物流効率が低下する一方で車を運転しない者が増え、日用品の宅配などのニーズが高まっている。こうした状況下で、物流は地域と人とをつなぐ架け橋となれるか。
     宅配便の取扱個数は、通販市場の拡大などを背景に2004年の28億7400個から、10年間で36億3700個と約1.3倍に成長している。これまでは大きくて重い家具や家電が中心だった宅配も、過去1年間にインターネットで購入した物品の統計をみると、すべての地域で日用品の比率が50%前後と高い比率を保っている。いまや宅配サービスは、日常生活を支えるインフラとして重要なポジションにある。


     とはいえ、過疎地域における輸送効率は決して良いとは言えない。国交省資料によると、人口集中地域とそれ以外の地域の人口密度の差は約60倍(2010年統計)。荷物一つ当たりのトラック走行距離は、過疎地域が約1.2km、都市部は約0.2kmと、約6倍もの差がある。これに時間指定が加わると、さらに厳しさは増す。過疎地は、1件1件の距離がどうしても長くなるため、きめこまやかなサービスの拡大は、事業者にとって負担増でもある。
     総合政策局物流政策課の担当官も「再配達など、これだけ大変な作業をしているのにも関わらず、通常の運賃でやっている。これを吸収できる仕組みを作っていかなければ、今後立ち行かなくなる」と危惧する。サービスの質を維持するために平成27年度概算要求で、過疎地における事業者とNPOなどの協働による宅配サービスの維持・改善や、買い物難民支援などにも役立つ新たな輸送システムを自治体と連携して構築するためのモデル事業の実施が掲げられた。
     まず、地域に活動拠点をつくる。物流事業者は郊外から集荷した商品を拠点に配送。域内の商店は拠点に集荷に行く。そして、地域の活動拠点から集落に向けて物流事業者・NPOなどが協働して宅配・集荷を実施するというものだ。
     構想の実現には、さまざまな輸送モードが活用される。例えば、地域に根ざした福祉関係のNPOがあれば、介護サービスのついでに生活雑貨を届けることもできる。逆に、宅配や郵便のドライバーが地域の高齢者の見守り役としてサポートすることもできる。コミュニティバスなどの発車時刻に間に合うようにバス停まで台車で農産物を運んでくれば、道の駅まで届けてもらえるといったサービスの展開も可能だ。
     昨年9月から約1か月間行った市町村へのアンケート調査(調査対象市町村件数1718、回答数1019、回答率59.3%)を見ると、実施できていない市町村の要因が「資金不足」よりも「行政機関のノウハウがない」「地域で中心となって取りまとめる人材がいない」ことにあることが明らかとなった。
     しかし、こうした課題を一つひとつ解消していけば、地域経済だけでなく地域の活力を取り戻すことにもつながる。すでにこれらの取り組みを実施している自治体では、「外部との関係を持たなかった小規模の生産者が、道の駅に育てた野菜が並び、地域住民が買っていく光景をみて元気になった」という事例もあるようだ。旅客と貨物の垣根を越えた協力体制は、地域に住む人々に、大きな喜びをもたらす可能性を秘めている。

     
     
     
     

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