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    太陽工業・TDS 他社にはない独自の強み

    2015年2月20日

     
     
     

     タイコン(フレキシブルコンテナバッグ)のトップブランド、太陽工業(能村光太郎会長兼社長、大阪本社・大阪市淀川区、東京本社・東京都世田谷区)。
     同社は顧客のニーズに合わせた物流の効率化へのさまざまな取り組みを行っている。業界の動向や物流の活用、今後の課題などについて、取締役物流システムカンパニー長の出射邦保氏に話を聞いた。
     同社はテント業界のトップを走り続けており、2017年で設立70年を迎えるテントの総合トップブランド。タイコンや、サッカースタジアム、空港施設などの大型膜構造建築、海洋汚染を防ぐ汚濁防止膜などの土木資材、テント倉庫の4部門を主力とし、ランニングコンテナーをはじめ、それぞれの分野で国内シェアトップを占めるなどの実績を誇っている。
     膜構造物は建築コストの低減、工期短縮などのメリットがあることから、生産ラインが頻繁に変わる工場などで活用されている。近年では日系企業進出に伴い東南アジアでのテントなどの需要も高まって、タイにテント倉庫の工場と、昨年にはカンボジアにクロスコンテナー製造工場を立ち上げた。また、テント以外にもトラックのアイドリングストップを支援するコンパクト冷房システム「エアースタイル」の販売など、同社の製品種類は多岐にわたる。


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     同社では製品のストックポイントは特に設けてはいないが、物流システム拠点は東京本社や大阪本社、名古屋営業所、北九州営業所をはじめTDS東京営業所、東日本コンテナーサービス鹿島工場、東日本コンテナーサービス千葉工場、中日本コンテナーサービス、大阪コンテナーサービス、水島コンテナーサービス、北九州コンテナーサービスと、全国網で構えている。
     タイコンなどの製品は主に受注生産となりクロスタイコンは国外で生産、ランニングタイコンは福井県の工場から全国に輸送している。現在、輸送を担う地元運送会社について「当社の製品の荷積み、荷下ろしの際に、包装に傷をつけないなど、細心の注意を払うように依頼している。現在、利用している運送会社には当社の要望通り、きめ細かいサービスをしてもらっている」(出射物流システムカンパニー長)という。
     同社物流システムカンパニーは、顧客のニーズに合わせ、ワンストップでの輸送・輸出入手続き代行や共同回収・共同配送など、さまざまな仕組みやシステムを提供し、物流コスト低減や物流品質の確保を提案している。
     例えば、タイコンについて「海外では使い捨てに疑問を持たないため、ほぼ全てクロスコンテナーであることが多いが、日本は何回も繰り返し使用することで1回あたりのコストを下げたいという思いから、ランニングコンテナーが主流となっている」という。「製造技術の進歩で、同じコンテナバッグを15年間も使っていただいている顧客もいる。膜に無限の可能性を見いだし、付加価値をつけることで他社との差別化を図ることに成功した」と、同社独自の強みを語る。
     繰り返し使われるランニングコンテナーの回収・洗浄・メンテナンスを担当するのがグループ会社のTDS(網隆史社長、大阪市淀川区)。同社は物流資材の管理・レンタルなどを行う。使用済み輸送用包材を大切な資源として100%リサイクルに挑戦する同社は、環境への配慮も重視し、品質マネジメントシステムを維持・向上させ顧客満足を図っている。
     あらゆる角度から課題を抽出し、総合的な物流管理から部分的な課題解決まで導く同社。現状把握→分析→改善提案・実施→効果確認の改善サイクルで、顧客に合わせ、保有資材の適正化や管理業務アウトソーシングなど改善策を立案する。管理データを読み取り、顧客への効率化の提案など、メーカーの枠を超えた事業展開を行っている。
     出射物流システムカンパニー長は「営業人員・生産キャパ・技術力なども当社の強みだが、製品提供後の回収・メンテナンスやバッグ管理がグループ会社内でできることも大きな強み。使用の回転率を上げることで、製品単価を下げるよりもコストメリットが大きくなる」と話す。
     早期にタイコンを顧客から回収することで、物流コストを必要最低限に抑えることが狙いだ。また、「全国対応できる数少ない国内メーカーで、品温シミュレーション能力の高さには自信がある」という。
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     メーカーとして通常なら、1枚でも多くコンテナバッグを売らなければいけないと考えるが、顧客の滞留しているバッグを少しでも減らしたいという思いで、同社は製造からメンテナンスまでの管理体制を確立させた。「製造・販売からメンテナンス、回収管理まで行うのは同業者でも当社だけ」という。
     「タイコンを使用するメーカーからすると、タイコンはただの包装資材かもしれないが、修理や洗浄などの業務が必ず発生する。しかし、お客さまは充填の作業以外は面倒で、間接コストは出来るだけ下げたい。充填以外の作業を当社で行うことで、モノの販売とサービスが融合した新しい価値が生まれた」と説明する。「同じモノをつくるメーカーが多くなると、必ず価格競争が生じる。モノの運営をプラスすることで付加価値が付き、国内に6社あるランニングコンテナーメーカーの中で頭ひとつ抜けることが出来る」と、自社グループでの製品管理のメリットを強調する。
     今後の展開について「TDSのようなモノの販売とサービスを融合した事業展開をする会社をつくり、新たな価値を生み出していきたい。また最終的には、コンテナバッグを買うのではなく、レンタルという形で顧客に提供したい。中に充填するモノ以外、物流を総合的に請け負うなど、日々変わる顧客のニーズに対応できたら」と締めくくった。
    ◎関連リンク→ 太陽工業株式会社

     
     
     
     

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