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    幸南食糧 「元気体温計あいさつ」で社内が明るく

    2015年7月21日

     
     
     

     「おくさま印」ブランドでおなじみの米穀卸メーカーの幸南食糧(川西孝彦社長、大阪府松原市)。1971年、現会長の川西修氏が一人で7坪の貸店舗に米穀店を立ち上げたのが始まりで、今では年商250億円を超える企業に成長した。創業以来、一貫して「人づくり」に取り組んできた川西会長に、これまでの歩みや経営の中で感じたことを聞いた。
      同社の本社を訪問すると、従業員の「いらっしゃいませ!」という大きな明るい声がフロアに響く。皆、笑顔で訪問客を出迎えてくれる明るい雰囲気の職場だが、川西会長は「創業当初は暗くて元気のない職場だった」と振り返る。創業して7年目、同社の今後の運命を左右する出来事が起きたのも、社内体制が未熟だったことによるものだった。


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     当時の売り上げの3割を占めるお客から突然、「おたくとの取引をやめる」と言われたのだ。驚いた会長(当時は社長)が理由を尋ねると、「あいさつのできない者は出入りするな」「トラックの上から商品を投げつけている。社員が乱暴で作業レベルが低い」という厳しい内容だった。
     ショックを受けた会長だが、そのことにより二つのことに気づかされたという。一つは「モノのクレームではなく、人へのクレームの時代が来た」。もう一つは「売り上げの3割を占めるお客様を持つと、何かあったときにエラいことになる。『1割経営』をしなければいけない」。会長はまず、社内でのあいさつの徹底から始めた。「社内の体制が未熟では、お客様に対して気持ちいいあいさつもできるはずがない」。しかし、うまくいかず、3日も続かなかった。「誰でもできる簡単なことが実は一番難しい」と振り返るが、「それをやり遂げたとき、力のある企業になれるはず」と、会長自ら誰よりも早く出社して、一人ひとりにあいさつをするようにした。
     それでもなかなか理解を示す社員は現れなかったが、やり続けて21日目、ようやく一人の社員が会長より早く出社し、「私もやります」と言ってくれたという。さらにその社員は「一流のあいさつをめざすのなら、握手しながらあいさつするというのはどうですか」「どうせなら名前をつけましょう」などと色々と提案までしてくれ、「握手は心の温もりを感じるので、『元気体温計あいさつ』と名付けた」と会長。
     採用したものの、やはり嫌がられて実行は難しい。しかし、やり続けることによって「ついに浸透して、みんなやってくれるようになった。9年かかったけどね」と笑う。性別や年齢、上下関係を越えて「元気体温計あいさつ」を続けることで、「社員同士のコミュニケーションが良くなり、社内が明るくなった。会社を辞める人もほとんどいなくなった」という。
     さらに、社内で一流のあいさつができると、お客に対しても一流のあいさつをしてくれ、一流の仕事もできるようになっていた。同社では自社物流として40人ほどのドライバーを抱えているが、もちろん届け先でのあいさつも徹底しており、さらに納品が済むと、お客に「在庫は50個残っています。今日50個届けましたので合わせて100個です。確認をお願いします」などと元気よく伝えるという。
     会長はドライバーに「明るいあいさつ」「てきぱきした行動」「さっぱりした身だしなみ」を求めるとし、「お陰で、ドライバーが訪問しているお客様には『営業マンは来なくていい』と言われるほどきっちり仕事をしてくれている。ウチはドライバーに支えられている会社」と高く評価する。
     同社と取引のある運送会社のドライバーに対しては、「運んでくれる人がいないとメーカーは成り立たない。ドライバーの気持ちになって応対するべき」と気遣う。「はるばる遠方から来てくれる。夏は冷たいおしぼりやアイスコーヒーを差し上げ、冬場は温かいおしぼりや飲み物を差し出す。荷待ち時間がほとんどないような努力もしている」。
     運送業界は現在、ドライバーの高齢化や人材・トラック不足が問題化しているが、同会長は「採用されて、ほとんどの人がやる気をもって入社してくる。しかし3日で辞める人も出てくるのはなぜか」と問いかける。「職場環境が暗い、汚い、あいさつがない、となっていないか。やる気をなくさせない職場づくりが大切」とし、また、「荷主という立場から言わせてもらうと、少しくらい運賃が高くても、元気な運送会社に依頼したくなる。トラックの台数や従業員数など規模を追求するのでなく、魅力のある会社を作るべきではないか」と唱える。
     さらに、「クレームを、やる気の原動力にしてほしい」と同会長。「聞く力を持って、なぜ、何のためにクレームを言われたか分析する。クレームを解決できる企業は光る企業になれる。ウチも創業7年目にお客から『取引をやめる』と言われたことをやる気の原動力として、ここまで歩んでこられた。経営危機に直面して大変だったが、今のウチがあるのはあの出来事があったからで、いい経験をした」とし、「これからはメーカーと運送会社が共に成長できるように力を合わせていきたい。これからも運送会社を応援していく」。
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    ◎関連リンク→ 幸南食糧株式会社

     
     
     
     
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