Now Loading...
 
  • 物流ニュース

    家電配送に異変 ドライバーの負担増

    2015年8月17日

     
     
     

     「家電の一般消費者宅への配送設置」は、メーカーと消費者を結ぶ重要な役割として、運送事業者が担ってきた。しかし現在、現場に異変が生じている。ドライバーが消費者トラブルの矢面に立たされるケースも多く、このまま看過され続ければ、BtoCの配送に携わるドライバーは姿を消し、消費者の手元に商品が届かない日が訪れかねない。
     埼玉県の運送事業者は、家電の配送設置業務について「運転よりも個人の自宅での作業が中心の仕事なので、気配りができない者には務まらない仕事」とし、「商品や個人宅に傷を付ければ弁済となるが、次の指定時間に遅れないよう急いで作業を終える必要もある。運賃はひと昔前の半分で、件数を減らせば採算割れ。現場はいつも時間に追われている」と話す。
     業務をこなすだけでもひと苦労だが、現場ではさらに消費者と直接関わるため、様々なトラブルも起こる。中でもドライバーを悩ませているのが、「伝票に記載のない業務への対応」だという。


    061815.jpg
     関東圏の家電の配送設置を請け負う運送事業者は、「例えばテレビの場合、その場で『ブルーレイ(デッキ)や音響機器とつないでくれ』と言われる。やる・やらないと揉めると次の配送に遅れてしまうので、とにかくできるものには対応するしかない」と話す。
     荷主との取り決めでは、「設置まで含めての運賃」で、「運んだもの以外の電化製品と配線をする場合は、購入した家電に対して一つまでは無料、それ以上は一つ1000円」とされている。「伝票には何の記載もなく、設置して終わりと思って行くと、その場で色々と頼まれてしまう」という。
     さらに、「現場で発生した配線料の徴収はドライバーが直接行うことになるが、消費者から『店頭で配線も無料と言われた』などと言われると、荷主はあくまで現場で処理しろとの姿勢なので結局、取りっぱぐれてしまう」と嘆く。「次の配送時間に間に合わせるために、ドライバーは必死でやっている。配線料まで確実にもらってこいとは言えない」。
     こうした仕事のいきつさから、「自社でドライバーを増やすのも、傭車を探すのにも苦労している。このままでは家電の運び手がいなくなってしまう」と、同社社長は危機感を募らせている。
     一方、荷主にあたる家電量販店の対応は各社それぞれで、伝票外の要求に関してはドライバーは関与せず、カスタマーセンターで一括処理しているケースもあれば、前出のように現場任せの場合もあるのが現状。なかには「あらかじめ荷主名義の領収書を渡されている」ケースもある。これに対し、「店頭での説明不足」を指摘する声もある。
     千葉県で家電配送に従事した経験を持つ運送事業者は、「伝票を見れば、消費者への説明が営業(担当者)によってまちまちなことがわかる。配送に関する説明は後回しで現場任せの体質の荷主もある」と打ち明ける。「消費者に対する店頭での説明や、伝票記載以外の要求に対して荷主が対応しているか否かで、現場のドライバーにかかる負担に大きな差が出ている」という。
     こうした配送現場の現状に対し、荷主はどう対応しているのか。量販店大手のビックカメラでは、「取引先のあることなので答えられない」(広報)とし、配送に関する消費者への店頭での説明についても「マニュアルの有無を含めてお答えできない」と、具体的な対応は聞けなかった。
     店舗担当者と配送事業者の連携を強めるなどの取り組みで、消費者トラブルを回避する荷主も存在するが、現場改善は進んでいないのが実情のようだ。荷主の理解が得られず、ドライバーが消費者トラブルの矢面に立たされる現状が続けば、家電の配送設置に従事するドライバーが姿を消す可能性も否定できない。

     
     
     
     
  •  
  •  
  • 「物流ニュース」の 月別一覧

     
  • 物流ニュース」の新着記事

  • 物流メルマガ

    ご登録受付中 (無料)

    毎週火曜に最新ニュースをお届け!!

    ≫ メルマガ配信先の変更・解除はこちら