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物流ニュース
和束運輸 マルコーエキスプレス・滋賀丸工運送の2社を傘下へ
2015年9月28日
和束運輸(杉本哲也社長、京都府木津川市)はこのほど、マルコーエキスプレス(進藤敬之社長、京田辺市)と滋賀丸工運送(同社長、滋賀県湖南市)の全株式の譲渡を受けた(本紙既報)。杉本社長に今後の事業展開と、自身が力を入れている地域貢献活動について話を聞いた。
和束運輸の従業員は180人を超え、平成26年9月期の売上高は28億円。今回傘下に入った2社を含めたグループ全体の売上高は約42億円。2015年度は「結」(結実・結束・結集)を基本方針とし、地域社会と共存し、安全で豊かな地域社会づくりと環境保全に努めていく。また、同社は厚労省が進める「あんぜんプロジェクト」に参加しており、ISO14001の取得や管理者、安全運転指導員の育成などで「安全で安心な、環境にやさしい物流企業」をアピールしている。
杉本社長は、運送事業について「プロドライバーの集団なので安い運賃では走らない。一方で、繁忙期でも基本的に仕事の依頼は断らず、必ず対応するのが他社との違い。人不足の今だからこそ、重宝していただけるのではないか。お客様がいるからこそ増車もできる」と話す。
杉本社長が企業経営で大切にしているのが「人材」だ。トラック1台ごとに燃費や売り上げを計算し、社員一人ひとりを適正に評価した給与体系を採用している。「輸送の効率化のためにも、1台ごとに売り上げや燃費を計算して適宜改善をしている。頑張る社員には頑張った分だけ給与で応えていく。人材については今後、管理職層を固めていきたい」。
今後、マルコーエキスプレスと滋賀丸工運送は和束運輸のグループ会社として、独立採算制で運営していく考えだという。今回、2社が傘下に入った経緯について、「事業領域拡大を考えていた際、事業継承で悩んでいた進藤社長からお話をいただいた。新規荷主の開拓や既存取引の発展が見込めると考え、4月に最終決断をした」と話す。
また、杉本社長は故郷である京都府相楽郡和束町の「お茶」のPRを検討しており、地域の活性化に貢献したいとしている。同町は古くから香り高い高級煎茶を栽培し、現在でも宇治茶の約4割は同町産とのこと。杉本社長は、「私が若かった頃に約7000人だった人口が、今では約4300人に減っている。名産のお茶をペットボトルで販売し、PRすることで町に人を集めることを考えている」と話す。また、高齢化が進む地域で役立ててもらいたいと、介護タクシーの免許取得も視野に入れるなど、同町への思いは熱い。
最後に杉本社長は、「後々はマルコーエキスプレス・滋賀丸工運送の2社の社長は若手に任せたい。重量物運搬は和束運輸にはあまりなかったため、新たなニーズにも対応できるのではないか。年内に増車予定があり、積極的に事業拡大していく」とコメントした。
◎関連リンク→ 和束運輸株式会社この記事へのコメント
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