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    国交省 物流政策の論点精査、物流関係小委が合同会議

    2015年8月9日

     
     
     

     国交省は、今後の物流政策の基本的な方向性の中間とりまとめに向け、論点の整理を進めている。
     7月23日に行われた「社会資本整備委員会道路分科会基本政策部会第5回物流小委員会および交通政策審議会交通体系分科会物流部会第3回物流サービス小委員会合同会議」では、4月30日の合同会議内で示された八つの「検討の視点」のうち、都市部と過疎地それぞれの物流の課題抽出と講じるべき施策について検討してきた。
     都市内物流については、物流の効率化だけでなく街の魅力を高めるための景観づくりという視点からエリアマネジメントの促進と、物流に配慮した建築物の設計・運用に意見が集まった。


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     野尻俊明委員(流通経済大学学長)は「都市内物流では、誰がどのように困っているのか見えづらい」と指摘。羽尾一郎物流審議官は「物流事業者によるサービスの充実で、まかなえている面もある。大型施設の館内物流を行っている事業者は、トラック800台が出入りするところを、センターにトラックを集めて混載することで370台削減し、周辺エリアの交通渋滞を軽減している」と説明。このように「建物単位」「事業者単位」ではすでに改善が行われているが、「建物が何戸も立ち並ぶところでの対応策については今後の課題」としている。
     矢野裕児委員(同流通情報学部教授)は「エリアマネジメントには、どこが主体となり、範囲をどこまで設定し、地域ルールを構築するかが難しい」、大串葉子委員(新潟大学経済学部准教授)は「誰かが少し不便にならざるを得ないのでは。荷さばき場を昼は割高に、夜を安く設定して誘導していくなどの対応で住民の理解を得られないか」と提案。羽尾物流審議官は「主体は利害関係の異なるあらゆる人がなり得ると考えている。協議会などで合意形成が図られても、お互いの利害関係が表面化すると離脱する人が出てくる可能性もある。インセンティブなどの枠組みを形成する必要がある」とした。
     過疎地については、「小さな拠点」を核とした貨物輸送の共同化や生活支援サービスの展開、公共交通を利用した貨客混載、自家用自動車などを活用した有償貨物運送について掲げられている。
     国交省は、取り組み当初の立ち上げ時期に補助制度の活用を有効としつつも、補助金に依存しすぎない、自立した物流ネットワークの構築を目標に据えているが、野尻委員は「過疎地は都市部と比べて資金面を考えると公的なインフラを使うことが妥当」とした羽尾物流審議官も、「物流事業者個々の取り組みでまかなえない状況
    になっている。共同で事業を行うことは、物流事業者自身、地域にとってもよいこと。今年度のモデル事業で検証したい」とした。
     同日開催の「社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会第6回物流小委員会および交通政策審議会交通体系分科会物流部会第3回物流体系小委員会合同会議」では、これまで(1)「国土のグランドデザイン2050」「社会資本整備重点計画」「交通政策基本計画」などを踏まえた中長期的な物流政策(2)モーダルシフトの推進とトラック輸送の効率化(3)国際コンテナ戦略港湾、貨物鉄道などの既存インフラ施策とソフト施策の連携による物流の高度化・効率化(4)物流施設の機能強化や災害対応力の向上(5)先進技術の導入・活用(6)物流事業者の国際競争力の強化――について取り上げてきた。
     関係者ヒアリングで、富士ロジテック(静岡市駿河区)の鈴木庸介社長は、人の手を多く必要としない物流を構築するため、工場内もしくは倉庫内作業の進捗情報を発信し、かつ運行車両の現在位置や速度を受信できるようにしたり、専用道路・ヤード内での自動運転を行うなど人材の浪費から解放するアイデアを紹介。白石倉庫(宮城県白石市)の太宰榮一社長は、東日本大震災での被災の経験から、通信障害や燃料不足、荷崩れしにくい梱包形態の開発・普及支援のほか、雨天荷捌き用の庇を建ぺい率から除外し、倉庫部分60%に加え、20%程度の庇の新築および増築を可能とする支援施策の実現を要望した。
     これらを受け、羽藤英二委員(東京大学大学院教授)は「事業者個々での取り組みは、限界に来ている。コーディネーションすることが必要だが、どこに物が流れ、どこにボトルネックがあるのか、さらに細かいデータを共有できる基盤をつくり、皆がオープンな形で利用できるようにしなければならない」と指摘した。
     このほか、「企業は流動データが手元にあるので、これをいかに提供してもらえるか」(兵藤哲朗委員、東京海洋大学教授)、「どういった指標を使うかが重要」(岡田孝委員、日本総合研究所主席研究員)といった意見が挙がった。
     これに対し羽尾物流審議官は「物流事業者で自社のデータを数値化しているのは全体の2割ほど。KPIによって業務内容の見える化を進めることで、無理な荷主の要求に対する交渉ツールとして役に立つことが、やっと理解されてきている段階で、データをどう活用するかという議論は現時点では難しい」と説明した。また、羽藤委員は「取りまとめには物流のプラス面だけでなく、どれだけ外部費用がかかっているかなどを前段で記載できるかどうかも重要」とも指摘した。
     検討の熟度の低い「先進技術の導入・活用」「物流事業者の国際競争力の強化」の2項目については、秋以降に検討する予定。中間とりまとめは8月下旬をめどとし、概算要求のタイミングで来年度措置の必要なものについて反映できるようにする。制度改正などが必要なものは、年末の答申に向けて精査する。
    ◎関連リンク→ 国土交通省

     
     
     
     
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