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    大和ハウス工業 不動産の活用方法大きく変化

    2015年10月29日

     
     
     

     「本当にヤツは運び屋なんですかね?」と、黄色のスーパーカーを追跡する二人の刑事。物流倉庫を舞台にサスペンス風の構成で、最後に「物流も大和ハウス」と締める、人気俳優3人を起用したTVCM。一度見たら忘れられない印象的なCMをシリーズで放映する大和ハウス工業(大野直竹社長、大阪市北区)は国内外を問わず、各地に環境配慮型で最新機能を備えた大型物流施設を展開。2013年から3か年計画の第4次中期経営計画も、最終年度を待たずに目標を達成した。
     8月7日付で発表した2016年3月期第1四半期決算によると、連結での売上高は6936億円(前年同期比14.7%増)、営業利益591億円(同77.2%増)、経常利益595億円(同72.9%増)、四半期純利益422億円(37.9%増)で、すべて過去最高額となった。このうち、物流施設事業の「建築部門」は前年同期比36.6%増の実績を挙げ、他の部門の牽引役にもなっている。


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     「グループ全体では4割弱だが、大和ハウス工業単独の業績では物流施設の売り上げは約7割を占める」と話すのは常務執行役員の浦川竜哉氏。〝Dプロジェクト〟という物流施設開発と展開企画のスタートは2003年。1992年の借地借家法の改正と1998年の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)の施行によって不動産の流動化が可能になり、同社は東京都東村山市に自動車部品の物流倉庫を建設、貸し出したのを起点としている。「大和ハウス工業は住宅メーカーというイメージが強い。企業分類も住宅メーカーとなっているが、精神の根本には倉庫建築がある。創業のルーツは倉庫ですから」と浦川常務。「借地借家法の改正で地主が大きな敷地を貸し出してくれるようになった。それまでは貸せば貸したきりで返ってこなかったが20年経てば更地で返ってくるという法律。貸すのも売るのも活発になった」という。「SPC法の施行により物流不動産の証券化で投資バリエーションが増え、不動産の活用方法が大きく変化した。この波にいち早く乗ったのがDプロジェクト。このプロジェクトが起爆剤となり、2011年からの3か年・第3次中期経営計画の目標額2兆円は2年で達成した」と話す。
     「繰り上げで2013年から次のステップである第4次に入ったが、2年目で売上高2兆8107億円を達成し、1年を残して目標をクリアできた。今度は目標額自体を引き上げ、今年が最終年度だが、これも、ほぼ達成できている」と説明する。
     日本はバブル崩壊後、不景気に沈み、加えてリーマン・ショックによる景気低迷に陥ったが、グローバル化が進み、メーカーが生産拠点を海外への移転を促進したことで国内の土地や建物に空きが生まれ、同社の開発も進んだ。「工場など建築確認申請ベースではバブル期と比べると約7分の1に減った。生産拠点が海外だとメーカーは在庫を持つようになる。生産品を輸入して国内に保管し、必要に応じて発送する拠点が必要になる。だからノンアセットで〝借りる〟物流施設の需要が増える」。
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     大和ハウス工業の物流施設は、同社が土地を購入してリース会社が施設を建て、1社(BTS型)または複数社(マルチテナント型)に賃借する方式がメーン。中でもBTS型の割合が多く、BTS型の開発面積は約461万2000平方mと約9割を占めている。
     今後の展開について浦川常務は「今後はマルチタイプも増やしていく。また、メーカーに協力する形で来年4月の稼働を目指し、物流会社も設立した。さらに進化した新しい物流のスタイルに挑戦していく」と語る。
    ◎関連リンク→ 大和ハウス工業株式会社

     
     
     
     

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