広島県内を走る国道２号の中間にあたる田万里バイパス（東広島市上三永から竹原市田万里間の約６km）で、路肩の駐停車スペースが封鎖されて２年が経とうとしている。管理する広島国道事務所の管理第２課によると「再度開放する予定はない」というが、封鎖前に止まっていたトラックはどこに行ったのだろうか。

同バイパスは、両市の市境である田万里峠の急勾配、急カーブを避けるため、上下線を分離して建設されている。この構造から路肩には上りに２か所、下りに１か所に駐停車スペースを設けており、トラックが止まっているのをよく見かけた。

同スペースが完全に封鎖されたのは、２０２３年１１月のこと。原因はゴミの不法投棄で、「弁当の入れ物や〝黄金のペットボトル〟があまりにも多く、保守を委託している業者も相当苦労した」（同課担当者）。封鎖に先立ち、利用状況が改善されないと封鎖すると予告したものの、「トラックドライバーの休憩場所と認識しているが、このまま利用は継続できない」と苦渋の決断だったという。

以降、現在まで全ての箇所で封鎖が続いているが、先の担当者は、「再開の要望はない」と話す。「１０kmほど西に、封鎖の前年にオープンした道の駅『西条のん太の酒蔵』があり、そこを利用する人が増えたと見られる」。トイレやコンビニ、自販機などがあり、路肩よりしっかりと休めることは確かだ。

事故や体調の急変などを考えると、路肩のパーキングスペースはいつでも利用できるよう開放が望ましいが、「同所以外でも不法投棄が問題になっている場所がある。看板を設置して呼びかけているが、改善がなければ田万里バイパスのように路肩を封鎖せざるを得なくなる」と懸念を示す。トラックを止められる場所をドライバー自身でなくしてしまうのであれば、やりきれない。