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物流ニュース
タカラスタンダードとパロマ 関東方面までラウンド輸送を拡大
2015年11月10日
「物流の効率化」と「安定供給の使命」を果たすため、荷主による積極的な輸送スタイルの効率化が図られている。ホーロー製システムキッチン開発のパイオニア企業として知られているタカラスタンダード(渡辺岳夫社長、大阪市城東区)は11月から、世界的ガス給湯器メーカーのパロマ(小林弘明社長、名古屋市瑞穂区)と、従来から両社で取り組んできた「ラウンド輸送」を関東方面まで拡大させる構えだ。
これまで進めてきた九州・関西方面の「ラウンド輸送」が構築され、更なる効率化・安定供給を視野に関東方面の強化を図る狙い。今回導入される関東エリアのスキーム(枠組み)は、パロマの清須工場を起点に、タカラスタンダードの鹿島・関東物流センター(BC)→千葉工場→滋賀BC→びわこ工場→小牧倉庫→パロマの清須工場に戻る流れで、専属の運送事業者はパレット輸送を基本とした輸送形態を実施する。
「ラウンド輸送」を推進してきた背景と導入経緯を、タカラスタンダードの吉井剛仁物流部長(写真左から2人目)は「これからの車両不足に対しての対策や物流費の値上げ、車の有効利用など、危機感がある中でパロマ様との問題意識が合致した。積み込み時間や納品先などの細かい条件もマッチングした」と話す。混載による共同配送とは異なるため、導入が比較的簡単なのも特長といえる。
連携するパロマの伊藤栄一生産管理部長(同3人目)も、「当社の工場は東海3県に集中しており、商品が出ていくばかりで、『回す』ことは出来ない。タカラスタンダード様の大きな物流網の中に入ることで、車両確保や重要視している輸送品質の問題も解消できる」とメリットを強調する。
運送事業者が定まっていないと荷扱いなどの品質面や、中継地点が数か所の場合は、破損時の責任の所在が特定できないなどの問題が悩みの種となっていた。今回のラウンド輸送を担当する運送事業者はタカラスタンダードとの長年の付き合いがあり、実績と輸送品質を見込まれての選出。運送事業者にとっても、新規荷主となるパロマとの取引や、帰り荷が確保されたことなど利点は大きい。
吉井部長は「パロマ様、運送事業者、そして当社の三者にメリットがなければ、ラウンド輸送のスキームは成り立たない」と話し、「パロマ様との幹線でのラウンド輸送は、これで一区切りだと考えている。次は、東北地方での個別配送の問題など、細かい部分での共同配送を視野に動いていきたい」と意欲を見せる。
◎関連リンク→ タカラスタンダード株式会社
◎関連リンク→ 株式会社パロマこの記事へのコメント
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