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    「宅配ボックス」普及へ 再配達の減少へ、ルールの統一化を

    2016年2月3日

     
     
     

     現在、宅配の再配達をなくすために物流効率化を進める声が挙がっている。これは国交省が昨年発表した「再配達削減に向けた受取方法多様化検討会」で出された報告書によるもので、再配達によって年間9万人分の労働力がムダになっていることや、同42万トン分の二酸化炭素が発生していることが報告されている。現在、再配達しなくてもいい「宅配ボックス」が普及しつつあるが、メリットとともにデメリットも少なからず報告されている。
     「宅配ボックスは宅配事業者がトラブルを避けるために使わない」という話を聞くことがある。実際はどうだろうか。
     日本郵便では「基本的には使うようにしている。もちろん、荷物によってチルドなど宅配ボックスが使えないものもあるが、お届け先に宅配ボックスがあれば使う」という。佐川急便も「代引き商品や貴重品など、直接手渡さなければいけないものは使わないが、宅配ボックスを使える荷物であれば使用する。ドライバーにもそのように教育している」という。


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     しかし、ヤマト運輸では「ドライバーの判断に任せている」という。「あれば使うとは思うが、社内的に必ず使わなければならないという決まりはない。お客様がより便利に使われるツールなので、その場の状況で、ドライバーが判断している」という。
     では、宅配ボックスの安全面はどうなっているのだろうか。宅配ボックスメーカーの日本宅配システムのHPでは、よくあるトラブルとして「荷物の誤配達、カード紛失、いたずらなどがある」と指摘。パナソニックでは、「特殊形状の開錠用キーを使用しているので、一般的なピッキングによる開錠はできない」(同社HP)と説明している。
     国民生活センターでは2009年ごろから宅配ボックスに関する相談が多くなっているという。同センターによると、「宅配ボックスに荷物が入っていなかった。事業者は届けたと言っている。どこが責任を持つのか」「宅配事業者は1のボックスに入れたと言っていたが、実際には2のボックスに入れられていた。間違えて持っていかれたが、事業者は責任を取らないと言っている」などといった相談があったという。また、「暗証番号を『1111』や『2222』という簡単なものに設定されているので、誰でも開けられるようになっている」という声も出ている。
     宅配ボックスに対する利用者の考え方もさまざまで、「マンションに宅配ボックスがあるが、私は利用したくない。しかし、再配達をしてくれると思っていたら、宅配ボックスに入れられていたことがあった」という声がある一方で、「仕事をしていて玄関に出ることができなかった。宅配ボックスに入っていると思ったら、持ち帰られた。夜遅くだったので受け取りが次の日になった」という声もあるという。
     また、「マンションの宅配ボックスには(貴重品の意味で)『貴金属を入れないで下さい』と書いていたが、パソコンを入れられて盗難に遭った。事業者は『パソコンは貴金属ではない』と主張しているが、どうすればいいのか」という相談も来ているという。
     このように、国民生活センターには宅配ボックスに関するさまざまな相談が持ち込まれている。
     一部で普及し始めている宅配ボックスだが、物流効率化を進める上で、今後ますます普及する可能性が大きい。そのためにも、ルールの統一化を周知しなければ、普及に伴う混乱は大きくなる一方だろう。

     
     
     
     

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