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物流ニュース
ニチレイロジスティクスエンジニアリング 脱フロン化点検サービス展開
2015年12月20日
ニチレイロジグループ施設で蓄積したノウハウを活用し、「計画」「設計施工」「メンテナンス」「診断」と、低温物流の外部環境に応じたサービス展開を行うニチレイ・ロジスティクスエンジニアリング(東京都中央区)では、フロン排出抑制法(平成27年4月施行)に基づき、設計施工段階で自然冷媒の導入推進を行っている。
同社保有の東扇島物流センター1期(神奈川県川崎市)と2期(同)では、アンモニア(NH3)やCO2冷凍機を一部導入し、原単位で20%の省エネを実現。咲洲物流センター(大阪市)ではNH3やCO2冷凍機、高効率CO2冷却器を導入するなど、全館で自然冷媒を導入することで、さらに5%削減している。
フロン抑制法で点検が義務付けられたことで、点検記録の作成・行政への報告提出が必要となった。また、フロンの無断放出、虚偽報告、点検記録不備など管理者に対する罰則が厳格化されることで、運転データ・履歴診断などの間接点検、フロン検知器による現地での直接点検、有資格者による点検のサービスを展開。企画・開発部の桑原博マネジャーによると、未対応の冷蔵倉庫事業者からの相談が増えているという。
全国の営業冷蔵倉庫の庫齢分布を見ると、築30年以上40年未満の冷蔵倉庫21%、41年以上29%と、築30年以上の冷蔵倉庫が約半数を占める。世界的な動向を背景に設備投資を進めたい冷蔵倉庫業だが、施設の用地取得や建設に多額の投資を必要とし、その回収は20年超の長期に及ぶこと、事業者の80%以上が中小企業など、資金調達は依然として難しい。日冷倉によると、冷蔵倉庫事業者の8割がフロン冷媒のR22を使用している状況で、同協会調べによる推計では、フロンの設備全体を自然冷媒に転換するには2700億円かかるとしている。
来年度予算概算要求では、物流倉庫における脱フロン化促進事業(環境省連携事業)として、省エネ型自然冷媒機器の導入支援を行う見込みで、今年度63.84億円の内数としていた予算枠を、85億円と約20億円増額要求している。こうした補助金を活用しながら、早期の〝脱フロン〟化が急がれる。
◎関連リンク→ 株式会社ニチレイロジグループ本社この記事へのコメント
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