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物流ニュース
物流政策の基本的な方向性 合同会議「危機感の共有と協力」
2015年12月31日
今後の物流政策の基本的な方向性について、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会と交通政策審議会交通体系分科会物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学学長)は12月14日、合同会議を開催。答申案では、前回会合で委員から指摘を受けた物流の危機的状況や、物流事業者・関係行政当局だけでなく荷主や消費者などが危機感を共有し、協力して取り組む必要があることなどが色濃く反映された。最終答申ではこれらをより前面に押し出し、物流への参加を広く訴えかけていく。
基本的には、市場原理に基づく企業間競争での創意工夫や物流サービスの向上を前提とし、関係者の連携のもと、社会システムとしての物流の仕組みを効率化し、最適化を進めるべきとした。
迅速性、確実性、安全性などのサービスに応じて生じるコストや、災害時における支援物資輸送など社会的な役割を果たしていく上で必要となるコストについても、「国民の理解を得つつ、関係者で適切に分担していく必要性がある」としたほか、近年で約3割増加している過積載車両について、2020年度をめどに違反車両を半減するため、動的荷重計測(Weigh―in―motion)による自動取り締まりなど実効性をあげる取り組みを強化するだけでなく、過積載が荷主からの要求や非効率な商慣習が大きな要因となっている状況を踏まえ、荷主にも責任とコストなどを適切に分担させていくための取り組みも必要とした。また、物流の生産性の向上、持続可能な物流への進化も同時進行で行うべきとした。
これらを実行することの効果について、定期的な評価を行うことが施策効果を高めるとして、委員らは行政に統計データの把握やその利用によって現状を把握し、目標レベルの設定と達成状況の評価などPDCAサイクルをまわしつつ、関係者との対話による問題意識の醸成、施策のバージョンアップを図ることを求めた。
羽尾一郎物流審議官は「中間とりまとめを経て予算要求や税制改正要望をしている。法律などの制度見直しが必要なところは通常国会などで対応していく。実施にあたり、もう一度、審議会で議論をすることで取り組みに拍車をかけていければよい」と話した。
◎関連リンク→ 国土交通省この記事へのコメント
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