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物流ニュース
鉄鋼小売の最大手の小野建 動き出す「鉄鋼のEC」は物流危機を救うか
2026年3月24日New!!
これまで実現できなかった「鉄鋼のEC」。アマゾンのようにECサイトで鋼材を売買することができるプラットフォームが2028年に誕生する。鋼材物流は、トラック乗務員の高齢化、なり手不足、長時間労働規制で近い将来、停滞する恐れがある。鉄鋼製品の安定供給を持続可能なものにするためには物流の効率化が急がれる。効率化によって実現のめどが立った「鉄鋼のEC」が、鋼材物流の課題解決の糸口となるか注目したい。
鋼材物流が停滞する恐れがある理由はその専門性にある。鋼材はサイズが非常に長大で荷姿も特殊な重量物であるため、対応できる運送会社や乗務員が限られているからだ。人手不足を補うには効率化が必要となるが簡単ではない。
鉄鋼業界の物流にはさまざまな需要分野があり、さまざまな流通経路がある。流通経路には、鉄鋼メーカーが製造した鋼材を仕入れ、建設業や製造業などのユーザーに販売する鉄鋼流通業者が存在し、「ひも付き」と呼ばれる卸売と、「店売り」と呼ばれる小売の二つに大別される。
小売業者による効率化
「ひも付き」とは鉄鋼メーカーと最終ユーザーが直接価格交渉を行うマーケットで、「店売り」とは流通業者があらかじめ鉄鋼メーカーなどから鋼材を仕入れておき、それを在庫として保有し、顧客の要望に応じて販売を行うマーケットのことをいう。「鉄鋼のEC」実現に取り組んでいるのは、小売事業者だ。
全国に約700社ある鉄鋼小売の最大手である小野建(小野剛社長、北九州市小倉北区)では、全国規模で鉄鋼メーカーからユーザーまで一気通貫で流通事業を行っている。同社の強みは、国内需要に対応可能な「物流倉庫」と小口・即納を実現する「自社物流」で、倉庫の規模によるアイテム数の豊富さ、自社岸壁(鹿児島・堺・静岡・川崎・浦安)の所有、統一された物流ネットワークにある。

物流網でコスト低減
自社物流や全国物流網を整備した理由について、小野社長は「『必要なときに必要なものを、必要な形で届ける』という鉄鋼流通の本質課題に向き合うため、すなわちラストワンマイルを押さえるため」とし、「網の目のように物流網を引くことで全体的な物流コストの低減を図るため」だという。
創業の地である九州では各県に倉庫を整備し、国内全需要へ対応していくため、全国各地に拠点を拡大。24年に静岡センターを開設した。

自社物流では186台のトラック(軽トラック、2トン車、4トン車、15トン車、トレーラなど)を保有しており、堺、南大阪、姫路、四国などの各拠点に配置。また、約100社の協力会社と連携し、物流ネットワークを機能させている。
鉄鋼ECの要は物流
これまで「鉄鋼のEC」が業界で実現しなかった理由として、小野社長は「長尺物など宅配便で運べない荷物の特性や物流網の整備が不十分であることが挙げられる」と分析。同業他社に先行して物流網の整備を行ってきた同社では、EC構想に耐えうるハード面の基盤を築き上げてきた。
同社は最後のピースとして、システム整備に約50億円の投資を計画しており、これによって28年に同業の鉄鋼小売業者も参画可能なマーケットプレイス「鉄鋼のEC」を実現する。
人材やM&Aで強化
どの業界でも人手不足が問題となっているなかで、強みの物流網が維持できる理由について、小野社長は「外国人材の活用や若手人材の早期戦力化を促す登用制度のほか、M&Aによる組織強化により、人材を集めることが可能となり、事業拡大を支えている」としている。
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