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物流ニュース
社整審物流小委員会 21mフルトレーラの導入事例と課題
2016年3月30日
トラックドライバーの不足などを背景に、車両の大型化よる一層の輸送の効率化と省人化が進む。国交省は、トラック輸送の効率化に向け、道路を賢く使う取り組みを推進する。3月9日開催の社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会物流小委員会(根本敏則委員長、一橋大学大学院教授)では、車両の長さ規制の緩和が輸送の効率化に寄与した事例をもとに、21mのフルトレーラの導入効果と課題を洗い出し、海外の動向についても検証した。
事例発表を行った日本梱包運輸倉庫は、フルトレーラ1台で大型車2台分の荷物を輸送することで省人化を実現し、CO2排出量を37%削減した。内閣府および国土交通省が指定した東北・中部・九州の特区内で1年間トライ走行を行ったトヨタ輸送は、17mのキャリアカーに6台積んでいたところ、2台多い8台運べるようになり、輸送効率は東北・中部では33%、九州は60%向上。このほかCO2排出量の削減や輸送コストの削減、運行回数の減少にも効果が見られたという。
しかし課題も多く、両社が指摘したのは、高速道路上のパーキングエリアやサービスエリアにおける駐車スペースの不足。大型車と特大車で積載台数と高速道路料金を比較すると、特大車の負担感が大きく、フルトレーラ導入に慎重になっている実態だ。
また、公道を走行する際に順守すべき三つの法令で、車両の長さ規定がばらばらであることが混乱を招いているとも指摘した。道路運送車両法(同省自動車局所管)は、「1台12mまで可」と規定されているが、道路法(同省道路局所管)では「12mを超える車両は特殊車両として通行許可が必要」としている。一方、道路交通法(警察庁所管)は「前端から後端までの長さが25mまで可」となっており、統一されていない。
現在、フルトレーラについては、長さ21mまでを通達で「車両の構造が特殊」として通行許可審査の対象としているが、21mを超える車両については認めていない。このような車両制限令の規定があるため、今後、車両の長さ規定の緩和の議論の際は、車両が通行して特段の問題が生じないかどうか確認した後、現行の通達を変更する必要がある。
他国の状況と比較すると、長大トラックの一般的制限値25.25mとしているのがスウェーデン、フィンランドで、ノルウェー、デンマーク、オランダでも、高速道路などに限って25.25mまで認めている。この記事へのコメント
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