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物流ニュース
エーアイティー 大学で株主総会
2016年7月8日
深刻な人材不足に直面する物流業界。特に業界に入りたがらない若年労働者に対して、いかに魅力ある業界かを広く伝える取り組みが必要と言える。中国や東南アジアに特化した総合物流企業のエーアイテイー(矢倉英一社長、大阪市中央区)は、5月20日に開いた第29回定時株主総会で、社会貢献の一環として大学と連携し、株主総会を学生が見学するという画期的な取り組みを行った。
株主総会は、矢倉社長の母校である大阪経済大学(大阪市東淀川区)で実施。同大学の学生56人が見学したほか、教授らも傍聴席に姿を見せた。会場である「70周年記念館フレアホール」の1階を株主席、2階を学生の見学席として明確に区分するとともに、大学で事前に登録した学生のみの入場とし、学生は参加のみで質問はできないなど、株主の妨げにならないよう万全の措置を取った。会場へのアクセスも、阪急上新庄駅から無料送迎バスを運行させるなど不便のないように努めた。
株主355人が出席したが、学生が見ているという雰囲気に株主も刺激を受けたのか、「例年、質疑応答されるのは4、5人だが、今年は『ROE(株主資本利益率)を高めるには?』『成長戦略について』など、20ほどの質問があった」(矢倉社長)と、和やかで、熱のこもった総会となり、傍聴した学生らは初めて体験する株主と経営陣とのやり取りを、真剣なまなざしで見つめていた。
また今回、経営学部の学生をインターンシップで受け入れ、希望者を募り、選抜された4人が前日の準備や当日の受付を手伝った。学生からは、「とても勉強になった。『株主総会』をテーマに卒論を書こうと思います」「受付で失敗したとき、社員さんにてきぱきとフォローしていただき、対応力に学生と社会人との差を痛感した。良い経験ができました」「エーアイテイーを志望したいと思うようになりました」といった感想が聞かれ、貴重な体験にそれぞれ得るものがあった様子。
同社では今回の取り組みについて、「同大学の学生に見学いただくことが、会社運営を学ぶための生きた教材になると考え、社会貢献の一環として開催した。その結果として、当社の認知度も上がれば」と趣旨を説明。矢倉社長は、「大学では『勉強のための勉強』を学んでいる学生も少なくないが、社会に出てから役立つ勉強も心掛けて欲しい」と指摘し、「今回の取り組みが、学生にとって会社運営に対する理解を深めるためのきっかけ作りとなれば」と期待している。
◎関連リンク→ 株式会社エーアイティーこの記事へのコメント
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