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    再雇用の重要点 職務内容、雇用形態、職責

    2016年8月24日

     
     
     

     嘱託として再雇用したドライバーの賃金引き下げの違法性が裁判で指摘されるなど、定年退職者の再雇用の在り方が話題となっている。運送業界にかぎらず、自社の労務管理に不安を覚える経営者は少なくないのではないだろうか。慢性的な人手不足に加え、労働人口の高齢化が進むなかで、高齢者の雇用は避けて通れない。違法性を問われない再雇用の条件について、専門家の協力の下、改めて検証した。
     特定社会保険労務士の馬場栄氏は、「再雇用時の労働条件は、『職務内容』『雇用形態』『職責』の三つの視点から検討する必要がある」と説明する。これらの条件を考慮することで、次の三通りの再雇用パターンが導き出される。
     第一に、「職務内容」「雇用形態」「職責」の3条件を変えずに継続して雇用を続ける場合だ。このケースでは、原則的に賃金を変更することは難しい。長澤運輸の裁判で違法性を問われた事案は、このケースにあたる。東京地裁の判決では、労働条件が定年時と変わっていない点が指摘された。同じ条件で働いているにもかかわらず、賃金が下がったことに合理的な理由が見られないという判断が下されたのだ。


     第二に、3条件のいずれか、または全てを変更した場合。このケースでは賃金の引き下げが可能となる。例えば、ドライバーから倉庫係や内勤に切り替える、労働時間を短縮する、主任やチームリーダーといった役職から下ろす、といった何らかの変更を行うケースだ。
     最後に、3条件のうちの「雇用形態」を変更し、「高年齢雇用継続給付」等の給付金を受給しながら、賃金を引き下げるパターンだ。高年齢雇用継続給付は、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あり、60歳以降の賃金が、60歳時点の75%未満である場合に支給の対象となる。ただし、厚生年金をもらっている場合は、高年齢雇用継続給付の受給金額に応じて厚生年金がカットされる点に注意する必要がある。
     労働時間を正社員の4分の3以下にして、厚生年金の被保険者から外しつつ、雇用保険の被保険者になるように労働時間を調整することで、高年齢雇用継続給付の対象になりつつ年金カットもなく、厚生年金の保険料も払う必要がなくなる。
     これらに加えて、問題となるのが賞与の扱いだ。パターン2や3のように条件が変化している場合は不支給でも問題はない。しかし、パターン1のように労働条件が変わらない場合は、原則的に再雇用前と同様に支払う必要がある。金額については、「会社業績が芳しくないので、薄く配分する」など検討の余地があるものの、馬場氏は「給与と違って賞与については柔軟に検討することが出来るが、無用なトラブルを避けるためには、合理的な理由だけは検討すべき」と指摘する。
     さらに、「60歳定年65歳まで再雇用と65歳定年は意味が全く異なる」と説明する。65歳定年の場合、たとえドライバーから下ろしても65歳まで給与の変更は原則できない。役職を外すことは検討できるが、その場合にも合理的な理由が必要となる。65歳定年で給与を引き下げることは、かなりハードルが上がることになる。一方、60歳定年65歳まで再雇用の場合は、給与の引き下げが可能となるが、3パターンのいずれかで検討しなければ問題が発生する可能性がある。

     
     
     
     
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