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    農水産物の輸出拡大促進 いかに鮮度を保つか

    2016年9月30日

     
     
     

     農水産物の輸出拡大促進について、政府は平成32年の輸出額1兆円目標を前倒ししての達成を目指している。8月2日、閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」でもその基本方針が示された。海外でも日本の製品が競争力を持つには、物流面で出荷単位の大口化、鮮度を維持しながら高品質で低コストの輸送が求められており、鮮度保持技術の実用化と普及に向けた取り組みが進められている。
     農水産物の輸出で先行しているのは、ヤマト運輸(山内雅喜社長、東京都中央区)とANA Cargo(岡田晃社長、同港区)が提携して行う、沖縄国際物流ハブを基点としたアジアを中心とする海外への航空輸送サービスだ。日本各地の農水産物を、いったん那覇空港に集めて大口化し、海外に輸出する。深夜の受注締め切りでも、翌日中の配送が可能だ。
     だが、航空輸送には、貨物量が少なく輸送コストも高いというデメリットがある。そこで大量輸送が可能な海上輸送に期待が寄せられるが、現状では輸送期間が長く、品質維持が難しい。これを解決するため、船舶で1週間輸送しても、飛行機同様に鮮度を保つことができる技術開発が進んでいるところだ。


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     CA(Controlled Atmosphere)コンテナは、日本郵船が平成25年秋から導入しているもので、大気中の窒素を分離してコンテナ内に送り込む装置を内蔵する。コンテナ内の窒素濃度を高めることで酸素濃度を低下させ、青果物などの呼吸を抑制し、通常の冷蔵コンテナよりも鮮度を維持できるという。また、同様の原理で、ガスボンベからリファーコンテナ内部に窒素を一気に注入することで、積み込み時から内部の酸素濃度を低下させる方法もあり、平成27年7月から日本郵船が、平成28年2月から商船三井がサービスを開始している。
     これらの方法が使えるのは〝呼吸している〟ことが条件のため、精肉など〝呼吸していないもの〟には対応できない。そこで新たに登場したのが、高電圧方式の鮮度保持コンテナだ。コンテナ内に電圧を通し、殺菌効果のあるオゾンを発生させるとともに、電場による微弱振動が、凍結させずにマイナス2度まで冷却する。これにより腐敗の進行を大幅に抑制させ、フレッシュな状態を保つことができる。冷気をコントロールすることで、高レベルでの温度管理を実現する。畜産物などは、アミノ酸の増加による熟成効果も期待できるようだ。
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     現在、技術開発は日通商事が進めており、今月にも輸送実験を実施する。国交省は、「高電圧方式による鮮度保持の技術は業務用冷蔵庫に向けたものはすでにあったが、コンテナに搭載して従来通りの機能を発揮できるかどうかが課題」としている。輸送サービスの開始は今秋を予定している。  

     
     
     
     
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