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    中日臨海バス 健康への取り組み

    2016年10月4日

     
     
     

     今年1月に長野県軽井沢町で起きたスキーバス事故。大学生ら15人の尊い命が失われるという結果となり、世間の厳しい目や事業者への安全対策への関心度は一段と高まっている状況だ。トラック運送業界でも健康に起因する事故防止を図る動きはあるが、どこまでやれば正解なのか暗中模索な部分もある。そんな中で、先進的な取り組みを行うバス会社を取材した。
     三重県四日市市に本社を構える中日臨海バス(森川道博社長)。企業送迎貸切バス、観光貸切バスの運行を手掛け、大阪や関東にまで営業所を展開している。約350人の従業員のうち、ドライバーは300人。トラック業界と同様に、高齢化と人手不足で送迎の乗務員は平均年齢が60歳に近い。
     今回同社が導入したのが、東芝情報システム(伊藤壮介社長、神奈川県川崎市)のシステムを使った「日常健康見守りサービス」。社員のバイタルデータ(睡眠時間・血圧・体温・体重・歩数など)を日々収集し、健康管理と事故防止に役立てるというもの。具体的な内容を表記する前に、導入の経緯について森川社長は「他社と比較しても、健康管理に関しては積極的に取り組んできた。しかし、過去5年の間に『脳疾患及び心臓疾患』などで、3人の乗務員が亡くなっている。走行中ではなかったので大きな事故にならなかったが、バス業界の事故が多発する中で、さらに真剣に取り組む契機となった」と話す。


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     これまで同社では、年2回実施している健康診断についても、産業医と連携しながら、診断結果に応じた社内の厳しい基準(乗車の可否)を設けてきた。その他にも、簡易脳ドッグ(MRI/MRA)を3年に1回で全社一斉受診、入社時も受診させたり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査は入社時と3年に1回検査を実施。簡易脳ドッグ、睡眠時無呼吸症候群検査を採用試験時には義務化している。また、ハード面においても一部の営業所では、横を向いていると警告音が鳴る装置を導入するなど、細部にわたり取り組んできた。さらに、同社独自のシステムを築き、勤務シフトや運転時間などの労務管理や健康診断の管理も実践してきた。
     そして今回、さらに健康起因による事故を防止するために「日常健康見守りサービス」を導入。乗務員のデータは、ウェアラブル方式の活動量計(手首に装着)、体温計、血圧計のバイタルセンサーを用いて収集・蓄積。そこで得た睡眠時間・体温・血圧などのデータは端末に自動送信される。データは、「健康ノート」と呼ばれるクラウドに保管され、管理者はもちろん、従業員も継続的な変化を確認できるため、従業員自身の健康意識を高めることが可能となる。「やはり自分自身の体調の変化が『見える化』することで、従業員同士の会話も健康に関する話題が増えてきた」と、森川社長は手応えを感じている。乗務員の睡眠時間を管理者が把握できることから、点呼時に大いに活用できるのも特長の一つだ。
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     管理者にとっての利点は、(1)従業員の健康管理と過労の早期発見(2)疾病予兆・過労の発見(3)予兆から適切に判断することで、乗務を中止するなど、リスクヘッジに役立つ。従業員にとっても、過労の傾向を把握したり、対策を講じることで健康管理に役立てるなど、導入のメリットは十分ある。森川社長は「従業員の健康を守ると共に、会社として事故が起きた際の説明責任を、果たせる状況にしておくことが重要。お客様や世間の方々からも、『安心や信頼』を得られれば、人材確保の部分まで波及してくる」と話す。今後は蓄積されたデータのさらなる分析と活用を目指すとしている。
     今年の4月からは、管理栄養士を新たに採用し、食事面でのサポートにも乗り出した。同社の取り組みが、一つのモデルケースとなり、運輸業界の安全性向上につながるものになってほしい。
    ◎関連リンク→ 中日臨海バス株式会社

     
     
     
     
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