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    社員の病気と就労 職場復帰支援が必要

    2017年1月11日

     
     
     

     ドライバーの健康が起因する事故の増加や、意識をなくし暴走することで重大事故につながりかねないと近年、トラック運送業界でも従業員の健康に関する取り組みが見直されるようになった。今後、ドライバーの平均年齢が進むにつれ疾病リスクも高まり、人材不足も相まって、より企業の対策が求められるが、現状ではドライバーの健康に不具合が見つかれば、「乗務させられない」「乗務できない」と企業側、ドライバー双方に不安が残り、さらなる対策が行えていないようだ。
     疾病が見つかっても退職ではなく、治療と仕事を両立しやすくなれば、社員の経済的な自立を促すだけでなく、企業側も人材を失わないで済む。日本では、段階的な復職を認めるかなど必要な配慮に関する法整備が進んでいないため、国の施策とともに、各企業の対応が求められている。
     例えば、日本人の男女ともに死因第1位とされる癌は、医療の発展がすすみ、癌と診断された後も、「癌との共生」ができる職場環境づくりの重要性は増している。政府は2007年に策定した「がん対策推進基本計画」で、検診受診率を50%以上に引き上げる目標を立てている。2012年に見直した第2期の基本計画でも「5年以内に受診率50%」としているが、現在のところ達成には至っていない。検診受診について調べた厚生労働省の2013年「国民生活基礎調査」では、過去1年間の受診率は最も高い男性の肺癌ですら47.5%にとどまっている。


     癌と就労の関係については、正社員の時に癌になり転職した人の43・8%がパートや派遣などの非正規社員になっていたとの調査結果を大手シンクタンクがまとめている。調査対象は、現在も仕事をしている65歳以下の男女計978人。癌になった後に転職した人は14%で、転職先で正社員だった人は56.2%、非正規社員は43.8%だった。以前の職場を辞めた理由(複数回答)では、「体力面で就労継続が困難」が2.8%、「両立制度の不備」が11.7%と多かった。
     トラック用品を取り扱う会社で、胃癌から復職した女性社員は、「絶対に復職してやるという思いがあった。幸い、早期発見だったので手術後1か月で復職できたが、この職場があったから治療も頑張ることできた。復職後も『無理しないでね』と周りから声をかけてもらえるので助かっている」と話す。
     別の企業の管理職は、「社長に『待っているから』という言葉をもらい、癌になった社員は何よりも励まされた。社内制度も大事だが、周囲の理解や、帰る場所があることが何よりも大切」と話している。
     また、厚生労働省は今年2月、治療と就労の両立支援のために企業向けのガイドラインを出した。相談窓口の用意や時間単位で取得できる有休などを盛り込んでいる。
     さらに、65歳未満での「若年性認知症」も問題になっている。働く高齢者が急増する中、大きな課題となる可能性がある。厚生労働省は今年度から、都道府県に「若年性認知症支援コーディネーター」を配置し、職場に対しては勤務調整や就労継続のためのアドバイスや、職場復帰のための支援もしてくれる頼もしい存在だ。
     これまでは、トラック運送業では「いかに法的なリスクなく、病気になった社員を解雇できるか」という部分に軸足を置く企業が多かったが、これからは段階的な職場復帰を支援する環境整備が必要だ。トラックドライバーは肉体労働という面が大きいため、病気からの復帰後に必ずしもドライバーとして働けるかどうかは分からない。しかし、前述の女性社員のように、復帰したいと思ってもらえるような職場づくりは人材の採用時、求職者には魅力的に映る。
     企業の自助努力では補えない部分については、例えば病気による休職期間について、その人の代わりをする派遣社員などを採用した場合に、助成金を支給するといった法整備も必要だ。

     
     
     
     
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