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    進まない荷待ち削減 いまだ待たされる現場の実情

    2017年3月10日

     
     
     

     ドライバーの長時間労働の改善で、大きな課題とされている一つの要因が「荷待ち時間」だ。これは運送事業者側だけの努力ではどうにもならず、荷主の理解がどうしても不可欠となる。こうした課題の解消を目指し、現在、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会が行政主導で行われている。2年前にスタートした同協議会は、荷主を巻き込んでパイロット事業の段階に入っている。荷待ち時間の削減は同協議会でも議論されており、ある程度認識されてきた感はある。しかし、現場ではそうした認識はいまだ薄く、浸透していない。埼玉県の事業者のドライバーが起こした荷主とのトラブルは、まさにそんなことを伺わせる事例だ。
     埼玉県の事業者は、大手メーカーの物流子会社と取引しており、同メーカーの製品の輸送を日々手掛けている。荷主は誰もが知る名だたる大手で、同社社長によると、「上層部では、あいさつの場などで『荷待ち時間などの改善に取り組んでいく』と説明している」とのこと。
     しかし、「現場では昔から対応は全く変わっておらず、『運ばせてやっている』という姿勢。こちらに荷待ちをさせても、悪気も何も感じていないのが実情」だと指摘する。


     先日、同社のドライバーは、午後4時の積み込みの指示を受け、時間通りに荷主の積み込み場所に行った。しかし、荷物は時間通りに出ず、当然のごとく待たされたという。
     そこでは積載効率を向上するため、製品を積み合わせて運んでいる。そのため、出てくる製品を順次積み込み、満載になったところでトラックが出発するという手順になるが製品によっては出てくる時間が違い、どうしても待ち時間が生じてしまう。同社もこうした状況を理解し、「ある程度の待ち時間は仕方がない」と割り切ってきたという。
     しかし、1、2時間ならまだしも、その時は深夜0時になってようやく荷物がそろうという有り様だった。何と午後4時の指定が、深夜0時と8時間も待たされる結果になった。
     しかし、「何の悪気もなく、平気で8時間も待たせる」とこぼす同社長の〝嘆き〟は、荷主に対してだけではなかった。長い荷待ち時間に業を煮やしたドライバーが、途中まで積んでいた製品をすべて下ろして帰ってしまったのだ。
     同社では荷主の連絡を受け、急きょ別の配車を組んで対応したというが、結局、同社の役員が荷主に謝りに行く始末になってしまったという。
     「確かに、どれだけ腹が立とうが、ドライバーが取った行動は許されるべきものではない。うちの指導不足」と、自社の非を認めつつも、「ドライバーが帰ってしまった原因ともなった、長時間の荷待ちを当たり前のようにさせて、まったく悪いとも思わず、こちらの非だけをとがめてきた荷主の対応には、納得が出来ないのも正直なところだ」と本音を漏らす同社長。
     その上で、「運送業界ではいま、ドライバーの長時間労働の削減が急務とされているが、荷待ち時間が削減されない限り不可能。荷主が強いという今の関係が続く以上、労働時間の削減は、我々運送事業者の自助努力の域を超えている」とし、「トラック独自の労働時間を作ってもらうか、荷主の荷待ち時間を取り締まってもらうか・・・そうしてもらわないと、今後、何も変わっていかない」と訴えている。

     
     
     
     
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