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物流ニュース
道路標識の改善 わかりやすい道案内へ
2017年4月20日
トラック運送事業者が業務を遂行するうえで毎日利用しているのが道路。普段、何気なく通行している道路にも、利用者がより快適かつ安全に通行できるよう様々な改善が施されている。今回は「道路標識」に焦点を当て、「わかりやすい道案内」への取り組みを調べた。
ドライバーが走行中、「この道路標識、文字が小さくて読みづらいなあ」とか「距離表示が合っていない」「案内が分かりづらい」「標識が壊れている」などと感じたことはないだろうか。そんなときは「標識BOX」に意見してみよう。標識BOXとは、道路標識に関する意見や要望を、整備や改善に生かすための制度で、国交省や各地方整備局、警察、高速道路会社などが窓口となっている。
近畿地方整備局道路部の髙松弘泰氏によると、「当整備局には年間50〜60件ほどの問い合わせがあり、市町村合併がピークを迎えた10年ほど前には年間200件弱の問い合わせがあった」が、近年は徐々に減少しているという。「頂いた意見を基に、緊急性を要する場合はすぐに対応するが、年度末で予算がない場合は新年度まで待って、予算がついてから修理することもある」と説明。「どこの管理か分からなくても、各地の標識BOXの窓口にご連絡いただければ、そこから管理しているところに伝える」と、利用者の立場に立って意見を受け付けている。
国交省では、交差点名標識に観光地などの名称を表示する標識への改善を進めている。観光先進国や地方創生の実現に向けて、観光地などへの分かりやすい案内とするためのもので、地域住民の意向を聞いた上で、道路標識適正化委員会で調整し、観光関係者や都道府県公安委員会とも連携して決定される。髙松氏は「観光地へ迷わずに行けるようになるなど、地元に貢献できるように進めている」と説明。
昨年12月現在で、全国44か所の交差点名が改善された。改善事例として、いにしえの鳥取城の姿を明らかにする「大手筋の復元・整備・保全」などを進める鳥取市と連携し、鳥取城跡に隣接する交差点の標識を、昨年3月に「鳥取森林管理署」から「鳥取城跡」に変更。髙松氏は「一昨年の12月から取り組みを始めており、近畿で変更できたのは、これまでに3か所だけだが、喜びの声を頂戴することもある。これからも改善を進めていきたい」と話している。
「道路標識、区画及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令」が2月7日に交付され、同14日から施行された。これにより、高速道路ネットワークでは路線名に併せて路線番号を用いて案内する「ナンバリング」が導入され、訪日外国人をはじめ、すべての利用者にわかりやすい道案内の実現をめざしている。
ナンバリングは、地域でなじみがあり、かつ、国土の根幹的な路線の既存の国道番号(2桁以内)を活用。例えば、東名高速道路・名神高速道路は「E1」、近畿自動車道・阪和自動車道(松原〜和歌山)は「E26」、九州自動車道は「E3」などと表示される。すでにナンバリングが実施されている都市高速道路(首都高速道路、阪神高速道路など)は、今回の対象から外れる。
「圏央道でまず取り組む予定で、近畿でも順次進めていく」と髙松氏。「東京オリンピック開催までを一つの線引きとして、優先するところを決めて整備していく。また、外国人観光客がレンタカーを運転する際に『カーナビの表示が分からない』という不満の声もあり、いずれはカーナビにも路線番号で案内することで、道に迷うこともなくなり、事故が起きにくい環境を整備したい」と普及をめざす。この記事へのコメント
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