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    運送事業者 違反がまん延?「違反事業者8割」の誤解

    2017年5月15日

     
     
     

     「運送事業は、法令違反をしなければ生きてはいけない」と、運送事業者からよく聞く。東京労働局が毎年発表している「道路貨物運送業に対する臨検監督結果」によると、8割近くの運送事業者が法令違反しているとしている。法令違反しなくては事業を継続できない業界となれば、問題は大きい。運送事業者の現状と異業種での法令違反状況などについて調べた。果たして、トラック運送業は「ブラック」なのだろうか。
     法令違反をしている運送事業者が8割にも上るという東京労働局の「臨検監督結果」だが、これには大きな誤解があるという。同局では、「この発表は『運送業界全体の8割が法令違反をしている』という意味ではない」と説明する。同局が「あやしい」と目星を付けた運送事業者のうちの8割が法令違反をしているということなのだ。
     同局の岡﨑文武特別監督官は、「こちらがにらんだ事業者を監査しているので、必然的に違反事業者が8割という高い割合になる」と説明。「決して、運送業者の8割が違反していると言っているわけではない」という。


     「トラックが大きな事故を発生させた場合、社会的な点を鑑みて同じ業界を選ぶということはあるが、今回の監査は別にトラック運送業界を狙い撃ちにしているわけではない」という同氏。「違反者を監査することが基本。荷主まで指導が行くケースもあるが、かなりのレアケース。通常は違反の背景まで見ることはない」という。
     法令違反が疑われている事業者が監査を受けているなら、違反率が高いことも納得できる。しかし、「運送事業者は法令違反をしなければやっていけない」という話はよく聞く話。実際に記者が聞いたのは一度や二度ではない。運送事業者の違反率はどれぐらいなのだろうか。
     国交省の行政処分検索サイトで平成28年のトラックを対象とした行政処分件数を見ると、1560者が処分を受け、同27年は2066者が処分を受けている。これを見る限り、かなりの運送事業者が行政処分を受けていることがわかる。
     厚労省が毎年11月に実施している「過重労働解消キャンペーン」によると、労働時間について違反している業種は4711者のうち、製造業が787者。次いで運輸交通業が525者となっている。同監督課では「過重労働が多い業種はだいたい同じ傾向にある」という。「まったく同じになるというわけではないが、傾向はあるようだ。こちらとしては取り締まりをしているだけで、原因や背景については把握していない。ただ、監督をした際に話を聞くケースはある」という。立場の弱い業種が過重労働を強制されている可能性については「何とも言えない。あるかもしれないし、ないかもしれない」としている。
     トラック運送業が「法令違反をしているのではないか」と疑われやすい業種であるというのは事実なようだ。製造業や建設業も同様に「目のつけられやすい業種」であり、トラック運送業だけが突出して法令違反が多いというわけではない。しかし、法令違反をしている事業者が多いのも事実。違反者を減らしていくためにも、適正運賃と荷主との対等な関係の構築は避けられないだろう。

     
     
     
     
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