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物流ニュース
ニューロスペース 小林孝徳社長 『戦略的に寝る』必要性
2017年8月18日
医学的知見に基づいた睡眠改善プログラムを提供しているニューロスペースの小林孝徳社長は、睡眠不足を改善するためには、「ただ寝ればいい」という訳ではなく、「睡眠の質」が重要になると語る。「そもそも睡眠は、成長ホルモンやメラトニンを分泌したり、活性酸素の分解を促すなど、身体にとって必要不可欠なもの」と話す同社長。「意外と思われるかもしれないが、成長ホルモンの分泌でダイエット効果も期待できる」という。
さらに、「必要な記憶を定着させ、嫌な記憶を忘れる『記憶の整理』が行われるのも睡眠中」とし、「ストレスフルな現代社会で生きる上でも、睡眠はおざなりにはできない重要なミッション」と、独特の切り口で表現する。
「だからこそ、『戦略的に眠る』ことが必要」という同社長は、「『睡眠は技術』。学んで体得でき、上達できるもの」と強調。「人間は、起きてから7〜8時間後に必ず眠くなる」とし、「そこで寝てしまうと、夜に寝付けない原因になる。眠くなる前に『攻めの眠り』として仮眠すべき」と語る。
同社が開く睡眠研修会では、「限られた睡眠時間で、その質を最大限向上させる技術をお伝えしている」という。光を浴びるタイミングや身体の深部の体温を上げる方法といった座学に加え、仮眠時の姿勢や、「カーフレイズ」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を使ったエクササイズなど、実技講習も行う。「まず睡眠のメカニズムを理解してもらった上で、眠るテクニックとノウハウを伝授する」とし、「睡眠の質が向上すれば集中力や記憶力も良くなる」と説明する。
昨年、物流業界では初となるSBSホールディングスが、ニューロスペースの睡眠研修を導入した。「人手不足や厳しい労働条件など、物流業界が抱える問題は多いと聞くが、経営者や部署の責任者などのリーダーが睡眠の重要性を理解することは大切」と語る。
睡眠研修会は簡易版が1回30万円から、企業によって内容をカスタマイズできるオーダーメード版は同50万円から。その他にも、自社で従業員のカウンセリングができる「睡眠のプロ」を育てる人材育成コースなどを用意している。
トラックドライバーがすぐに実践できるテクニックとしては、「運転席ではなく、助手席に移動して仮眠を取ること」を提案。「人間は、無意識に『場所』と『行為』をセットで覚えてしまう。運転席が『眠る場所』とインプットされると、運転中に眠気を引き起こす原因となる」と警鐘を鳴らす。
「助手席には、首とお尻付近の仙骨を温めるよう、電気アンカやカイロなどを設置して、密集している副交感神経を人工的に優位にすると寝つきやすい」とし、「可能であれば浴槽に浸かって温めるのが理想的だが、難しい場合はシャワーを重点的に当てることでも効果を得られる」という。
小林社長は、「経営者は、『睡眠』と『利益』を相反するものと捉えがちだが、それは間違いで、働き方改革が必要」と予測する。「寝る時間を惜しんで仕事をするとうつ病になるリスクも高まる。眠気に人生を左右されるのではなく、睡眠をコントロールすることで充実した働き方を実現してほしい」
◎関連リンク→ 株式会社ニューロスペースこの記事へのコメント
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