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    ヤマト 働き方改革へ本腰、1000社と運賃交渉中

    2017年6月29日

     
     
     

     ヤマトホールディングスの山内雅喜社長(写真左)、ヤマト運輸の長尾裕社長(同右)は6月8日、物流専門紙を対象に記者会見を開催。両氏が「働き方改革」や「宅急便サービスの見直し」などについて最新の状況を説明。この中で長尾氏は、フランスのネオポストシッピング社と合弁会社を立ち上げ、国内で提供を開始したオープン型宅配ロッカー「プドー」について、当初2022年までに5000台の設置を目指すとしていた目標を前倒しし、「来年3月までに3000台を設置する」と表明した。
     山内社長は「働き方改革」の進捗状況について報告。「安心して働いていける健全な労働環境の構築」が重要で、「経営の最優先課題として、あらゆる領域に踏み込んだ対策をしていきたい」と強調。グループ全体として①コンプライアンスの徹底②ダイバーシティーの推進③業務の見直し、効率化とコミュニケーションの活性化を「三つの軸」として進め、「最終的に、顧客をはじめとしたステークホルダーの『信頼』の最大化、企業価値の最大化をめざす」と述べた。
     ダイバーシティーでは「多様な人材の活用として、デリバリー事業でもテレワークを取り入れている。自宅に近い場所という意味でのサテライトオフィスや在宅勤務も試験的に始めた。IoT(モノのインターネット)を活用した『柔軟な働き方』の実現に向け業務の標準化を進めている」と説明。ヤマト運輸本社では4月から「働き方改革推進委員会」がスタートし、現在、各地域で小委員会を設けているが「地域にも私たち経営トップが出向き、第一線の社員の意見を聴いていきたい」と述べた。


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     長尾社長は、デリバリー事業の構造改革について報告。単身所帯の増加や女性の社会進出、e―コマース市場の増大など消費スタイルの変化により、「宅急便の荷物の出方が従来の想定より早い成長率」を示し、不在や再配達がクローズアップされる中、労働環境の変化やコスト上昇、税制改正、社会保険制度の負担増などで、宅急便の基本運賃改定に至ったことなどを改めて説明した。
     大口顧客との交渉状況は、全国69主管支店に構える法人営業支店の取引先1万社のうち1割にあたる約1000社が「優先的に色々な形で(運賃・料金や荷物のボリューム問題を)協議させて頂かねばならない対象となっている」と報告。1000社に対しては「ほぼすべてで交渉はスタートしており、このうち7割程度は複数回話し合い、ご理解いただいた上で前向きな協議に応じてもらっている。その中でも何割かは着地点が見え始めた」と付け加えた。
     今年度の総量削減目標として掲げた8000万個については「大きく乖離しているとは思わないが、計画通りになると申し上げる段階ではない。これを目指して積み上げているところ。下期辺りからボリューム面で少し動きがある顧客も出てくると思う」と述べるにとどまった。
     法人向けの「プライシングシステム」導入について、「契約運賃決定のプロセスを改めてオペレーションの条件その他のファクターを組み入れた上で、本来かかる運賃を導き出すシステムだが、燃油費の上昇や労働力の調達コストなどのファクターも入れながら組み上げているところ。プロトタイプはテストを始めている」と説明。
     上期中には第1ステップとして、現行運賃やオペレーションの状況が適正かどうか「物差しとして使うことができる」ようになり、下期には「もう少し突っ込んだ使い方ができるようになるだろう」と述べた。
     「プドー」について、当初は2022年までに5000台の設置をめざすとしていた目標を前倒しし、「来年3月までに3000台を設置する」と表明。「6月末には500台を超えると思う。上期中に1000台の設置が完了すると見ている。駅前やスーパーのほか、会社のオフィス、工場の敷地内などの事例が出始めた。また、賃貸アパートや大学など色々な場所に広がってきた。オープン型なので他社も使用でき、既に佐川急便さんが利用を開始した」と述べた。7月にはe-コマースでの買い物で「最初からロッカー指定」できるようにするほか、下期以降、「プドーから荷物が発送できる機能を持たせる」という。
     ラストワンマイルネットワークでは、現在、全国4000か所の営業店で仕分け専門のパート社員が行っている車両ごとの細かい仕分け作業を、セールスドライバー(の集配車)ごとに、ターミナルからあらかじめ仕分けして送り込める方式に変えるための「トライアル」を近く開始する。「専門のパート採用を積極的に行ってきたが、このあたりの採用も難しくなってきた」と、使用するマテハンも変わるため、準備を進め「年明けぐらいに、そうしたターミナルも出てくるだろう」と述べた。
     佐川急便が「週休3日制導入」を発表したことに関連し、「当社も既存の社員ではなく、新しい社員への待遇として週休3日制を検討している。佐川さんと少し違うのは、週休3日制をベースに年内の総労働時間を所定時間に近い(またはプラスアルファの)形で、着地するようなものを考えている」と説明。
     「『残業が月40時間などとんでもない』という若い人の声が新聞記事にあったが、正直なところだろう。そういう人たちも仲間として組み入れる仕組みを作る必要がある。ロッカーやコンビニでの受け取りなど、これまでとは少し違う道が今後少しずつ太くなっていく。納品する働き手は必ずしもセールスドライバーでなくても良い。従来と異なるサービスの組み合わせで対応することも可能で、多様な働き手を募って展開していく」と述べた。
     山内氏は、グループ全体の成長戦略について「9月末までに中期経営計画を発表する。2019年に創立100周年を迎えることから、次の100年にどう向かっていくのかを含めた内容にする」と述べた。
    ◎関連リンク→ ヤマトホールディングス株式会社

     
     
     
     
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